セッション情報 |
シンポジウム9
非切除胆膵癌に対する内視鏡的interventionの進歩
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タイトル |
S9-10:EUS下胆道ドレナージ術の有用性
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演者 |
今井 元(近畿大学医学部消化器内科) |
共同演者 |
北野 雅之(近畿大学医学部消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学医学部消化器内科) |
抄録 |
【目的】2006年5月からの経乳頭的治療困難な悪性胆道狭窄に対してEUS-胆道ドレナージ術(EUS-BD)を施行しているが,その治療ルート,デバイスおよび成績について報告する.【対象】2006年6月から2012年5月まで当院で実施したEBDは1971例であり,そのうちEBD不能例は158例であった.(手技成功率92.1%)このうち65例はPTCDもしくは経過観察となった.残りの93例に対してEUS-BDを施行した.【方法】ドレナージルートの選択は下部胆管狭窄であればEUS-choledochoduodenostomy(CDS)を,肝門部胆管狭窄であればEUS-hepaticogastrostomy(HGS)とし,穿刺部より順行性にステント挿入し狭窄部に留置するAntegrade法(ANT)を同時に実施する場合もある.さらに下部胆管狭窄においてCDSが困難な症例にはEUS-gallbladder drainage(GBD)を実施する.また乳頭まで到達可能であればRendezvous法(RDV)も選択肢とする.コンベックス型EUS下に19G穿刺針を用いて拡張胆管を穿刺し,穿刺孔を拡張後にプラスチックステント(PS)あるいはメタルステント(MS)を留置した.検討項目はステント留置を成功とする手技成功率,臨床所見改善を成功とする臨床的改善率,偶発症発生率とし,ドレナージルート,ステントの種類による比較をした.【結果】CDS30例,HGS29例,RDV17例,ANT9例,GBD8例であった.手技成功率はそれぞれ96.7%,96.6%,88.2%,100%,100%であり,臨床的改善率はそれぞれ96.4%,89.3%,100%,100%,87.5%であった.偶発症発生率はそれぞれ26.7%,31.0%,0%,22.2%,12.5%であった.いずれの偶発症も保存的加療により改善した.PS,MSの臨床症状改善率はそれぞれ96.5%,93.5%,偶発症発生率は39.3%,19.3%であり,ステントの種類別で有意差は認めなかったが,PS群の偶発症発生率はMS群よりも高値であった.【結語】EUS下胆道ドレナージ術はEBD不能例に対する減黄術となり,様々な穿刺ルート,deviceを選択することでより安全な方法となりうる手技と考えられた. |
索引用語 |
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