セッション情報 |
シンポジウム9
非切除胆膵癌に対する内視鏡的interventionの進歩
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タイトル |
S9-11:超音波内視鏡ガイド下腹腔神経叢ブロックのLong-term responseに関する検討
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演者 |
土井 晋平(岐阜大学医学部附属病院第一内科) |
共同演者 |
安田 一朗(岐阜大学医学部附属病院第一内科), 森脇 久隆(岐阜大学医学部附属病院第一内科) |
抄録 |
【背景】癌性疼痛に対する超音波内視鏡ガイド下腹腔神経叢ブロック(EUS-CPN)の有用性は現在広く知られるようになってきたが,既存の報告では効果を短期的に評価したものが多く,その有効期間に焦点をおいた検討はこれまでほとんどなされていない.これまでの我々の多数例における経験では,有効期間は症例によって幅があり,中には数ヶ月間効果が持続するLong-term response(LTR)症例が存在する.【目的】EUS-CPN後のLTRに対する影響因子を明らかにする.【方法】2003年4月から当院にてEUS-CPNを施行した156例のうち胆膵癌を原疾患とする146例,さらに術後1ヶ月以内に死亡した6例を除外した140例を対象とした.麻薬性鎮痛剤を増量・新規導入されるまでを有効期間とし,3ヶ月以上効果が持続した症例をLTR群,それ以外を非LTR群とし,両群の背景因子の比較検討を行った.【結果】140例中LTR群44例・非LTR群96例.全体の有効率(VAS≦3)は70%,著効率(VAS≦1)は35.7%.検討した背景因子は,年齢・性別・腹腔神経節ブロック施行の有無・術前VAS値・腹水の有無・神経浸潤の有無・術後エタノール分布・抗腫瘍療法の有無・およびその効果(PDか否か)・術前有疼痛期間.単変量解析では,有腹水(P=0.03),抗腫瘍療法の効果PD(P<0.01)の頻度がLTR群で有意に低く,術前有疼痛期間(P=0.02)も有意に短かった.多変量解析では,補助療法の効果PD(RR 8.64,95%CI 2.80-31.9),術前有疼痛期間120日以上(RR 7.45,95% CI 1.73-53.26)が有意な効果不良予測因子であった.【結論】疼痛が出現してから出来るだけ早期にEUS-CPNを行った方が良好な(長期の)疼痛緩和効果が期待でき,抗腫瘍療法の効果も疼痛緩和に影響を与えることが示唆された. |
索引用語 |
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