セッション情報 シンポジウム10

胆膵癌の化学療法の最前線

タイトル S10-2:

多施設研究で可能になった胆道癌化学療法の臨床試験

演者 井岡 達也(大阪府立成人病センター検診部消化器検診科)
共同演者 永野 浩昭(大阪大学大学院消化器外科), 波多野 悦朗(京都大学肝胆膵・移植外科)
抄録 【目的】胆道癌は予後不良な疾患で,大規模臨床試験はあまり実施されてこなかった.【方法】単施設で大規模臨床試験を実施することは困難と考えた医師らにより,2010年6月に研究グループが組織された.【成績】胆道癌に対する化学療法の実態を調査するため,18施設から計420例を集積してレトロ解析を行った.切除不能・再発胆道癌に対して,ゲムシタビン+シスプラチンの標準療法(GC療法)にS-1を追加した併用療法(GCS療法)のI/II相試験を行い,I相試験についてはすでに報告し(Kanai M, et al. Cancer Chemother Pharmacol. 2012),II相試験も2012年8月までに登録満了した(n=51).肝葉切除の有無によって,術後補助療法のdose intensityが相違するという仮説のもとに,肝葉切除を伴わない術後補助療法としては,標準療法であるGC療法のI相試験を行い,18例を集積して検証した.一方,肝葉切除を伴う術後補助療法としては,ゲムシタビンとS-1の各々の単剤療法についてI相試験を計画し,合計32例を集積した.【結論】多施設共同で,臨床試験を計画実施することの意義は大きい.
索引用語