セッション情報 シンポジウム11

消化管・膵神経内分泌腫瘍の新たな治療戦略

タイトル S11-4:

膵十二指腸領域NETに対する積極的外科治療の成績

演者 金本 秀行(静岡がんセンター肝胆膵外科)
共同演者 上坂 克彦(静岡がんセンター肝胆膵外科), 杉浦 禎一(静岡がんセンター肝胆膵外科)
抄録 【目的】肝転移切除を含めた膵十二指腸領域NETに対する積極的外科治療の成績を検討した.【対象】2002年から2012年5月までに施行した膵十二指腸領域原発NET切除例43例を対象とした.原発病変部位は,十二指腸球部(D1)8例,第2部(D2)5例,主or副乳頭部(P)4例,膵頭部(Ph)8例,膵体部(Pb)10例,膵尾部(Pt)7例,膵十二指腸領域に多発するgastrinoma1例であった.Gastrinoma,insulinoma各1例以外は非機能性で,MEN1型を2例認めた.同時性肝転移を5/43例(3-13個)に認めたが全例同時切除術がなされた.切除標本でリンパ節(LN)転移は9/43例に認めた.【方法】1.病変部別のWHOgrade,腫瘍最大径(TS),転移頻度を検討した.また,grade,TSが転移の危険因子となるか検討した.2.術後再発例における転移までの期間,転移部位,予後を検討した.【結果】1.TS,gradeは,部位別にD1(median7mm,range4-9mm,G1:G2=6:2),D2(16mm,range6-60,G1:G2=0:5),Ph(30mm,range16-60,G1:G2=1:7),Pb(15mm,range8-22,G1:G2=9:1),Pt(18mm,range11-120,G1:G2=5:2),P(12mm,range9-30,G1:G2=1:3)であった.D1,Pb領域腫瘍に転移再発例はなく,gradeも低い傾向にあった.一方で,D2,Ph,PではG2が多く,D2の4/5例にLN転移・1/5例に同時性肝転移を,PhではLN・同時性肝転移を各1例,Pでは2/4例にLN転移・1/4例に同時性肝転移を認めた.転移・再発13/43例は,転移・再発のない30例に比し,有意にTSが大きく(median 37 vs 13mm,p=0.005),G2が多かった(13/13 vs 8/29,p<0.0001).2.術後再発は4例に認め,肝3例・骨転移1例で,再発までは術後3-36ヶ月であった.肝再発3例には再肝切除がなされ,骨転移例は放射線治療が奏功し,初回術後43-77ヶ月の観察期間で全例生存中である.【総括】2cm以下の十二指腸NETは,局所切除で治癒が期待できるが,LN転移例も存在することから術中LNsamplingは必要である.肝転移症例に対する積極的外科切除は,生存を延長させる一定の意義があると考えられる.
索引用語