セッション情報 |
シンポジウム11
消化管・膵神経内分泌腫瘍の新たな治療戦略
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タイトル |
S11-12:膵神経内分泌腫瘍の新たな治療戦略~化学療法を中心とした集学的治療~
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演者 |
室久 剛(聖隷浜松病院消化器内科) |
共同演者 |
長澤 正通(聖隷浜松病院消化器内科), 佐藤 嘉彦(聖隷浜松病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】膵神経内分泌腫瘍(PNET)に対する治療の第一選択は外科手術であるが,多発肝転移や術後再発例の治療方針の選択には指針がないのが現状である.RFA,TACE,化学療法など多岐にわたる選択枝からいかなる選択をするかで予後はどの程度変わるのかは明確でない.我々は当院で過去17年間に経験したPNETの診断および治療について検討した.【対象と方法】1995年から2012年まで当院で診療し組織学的に診断したPNET24例を検討した.新分類は核分裂像およびMIB-1 indexから決定し,治療法・予後等を検討した.【結果】WHO2010分類での内訳はG1/G2/G3/mixedが8/13/1/1例.経過中を含め肝転移を9例に認め,G1/G2/G3が2/6/1例であった.治療法として21例が初回治療は外科手術,3例は切除不能多発肝転移のため化学療法単独治療を行った.ダカルバジン(DTIC)による化学療法を5例に施行.CR1,PR3,SD1と全例で病勢コントロールが可能であった,3例は初発から8年以上病勢を制御可能であった.術後再発に対して化学療法が奏功し8年後に他病死した1例では初発時と死亡時の病理組織を検討した.初発時G2であったが,死亡時にG1となり,化学療法による変化を確認した.3例にエベロリムスを投与した.うち2例はDTICからのセカンドラインであり,1例が初発であった.投与期間は短いが,PR2,SD1と全例で病勢コントロールが可能であった.経過中2例にTACEを,1例に肝動注化学療法,1例にRFAが施行された.唯一のG3症例は原発巣術後1か月で多発肝転移を発症し,オクトレオチドを用いた治療を行ったが6か月後に死亡した.【結語】切除不能進行PNETに対する治療には,年代の変遷とともに治療法の推移がみられたが,あきらめず集学的治療を行うことで予後の改善が期待できると考えられた. |
索引用語 |
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