セッション情報 シンポジウム12

GIST研究の進歩と臨床への展開

タイトル S12-1[基調]:

エビデンスに基づくGIST治療の現状と今後

演者 西田 俊朗(大阪警察病院外科)
共同演者 高橋 剛(大阪大学消化器外科)
抄録 GISTの術前組織診断はしばしば困難であるが,GISTと診断された場合,治療第一選択は外科手術による完全切除である.局所進行GISTに対しては,術前補助化学療法も考慮されるが,その対象,期間,治療方法についての確固たるエビデンスは確立していない(推奨度C1).術後臨床病理学的評価で高再発リスク群に入ると考えられた場合,3年間の術後補助化学療法で無再発生存期間と全生存期間の延長が認められたため,現時点で術後3年間の補助療法が推奨されている(推奨度B).しかし,本治療に関しても,補助療法で予後改善が得られる適切な治療対象やその期間に関しては未確立である.更に言えば,日本人で術後長期に補助療法が可能かどうかも不明である.また,再発リスクを予想するリスク分類自体も数種類有り,どれが最も適切か意見の分かれるところである.一方,切除不能や再発・転移GISTへの標準治療は,イマチニブやスニチニブによる薬物治療である.両薬剤とも十分な忍容性と治療効果・予後改善効果を認めるものの,その治療効果は限定的で,前者で約2年,後者で約7ヶ月である.昨年,ASCOでレゴラフェニブの第3相臨床試験結果が報告され,レゴラフェニブ投与で無進行生存期間はプラセボ群の約5倍の5ヶ月に延長し,また,プラセボ群でもクロスオーバー後,ほぼ同程度の治療効果を認めた.レゴラフェニブは,今後,進行GIST治療のthird-line治療として期待されている.2012年末現在,本邦のGIST診療ガイドラインは改定中である.本シンポジウムでは,上記GIST治療に対しガイドラインに基づく推奨治療と,グレーゾーンに対しては私見を交えながら議論をしたい.
索引用語