セッション情報 シンポジウム12

GIST研究の進歩と臨床への展開

タイトル S12-5:

胃GISTに対するhybrid NOTESの臨床経験とpure EFTRの実現性の検討;Kagawa NOTES projectでの取り組み

演者 森 宏仁(香川大学医学部附属病院消化器・神経内科)
共同演者 小原 英幹(香川大学医学部附属病院消化器・神経内科), 正木 勉(香川大学医学部附属病院消化器・神経内科)
抄録 【目的】胃GISTに対する胃局所切除は腹腔鏡下胃局所切除,LECS,hybrid NOTESなどがあり術式の違いを比較検討する.研究開発としてpure EFTRを安全に施行するための信頼性のある全層縫合器とカウンタートラクション器を用いた無送気EFTRを検討する.【方法】2009年から2012年までにhybrid NOTESを施行した胃GIST患者13例を解析・検討した.研究開発ではブタ切除胃を用いて軟性内視鏡用・全層縫合器Double arm Bar Suturing System(DBSS)とMechanical Counter Traction System(MCTS)を用いて胃壁全層切除完遂率と術時間を無送気MCTS群15例と送気通常群15例で比較した.40mmの全層切除穿孔創の10針全層縫合を外科手縫い単結節縫合群8例,over the scope clip(OTSC)群8例とDBSS群8例の3群で施行しleak testによる縫合力を比較検討した.【結果】Hybrid NOTES 13例で開腹移行例,合併症や再発は認めらなかった.無送気MCTS群は15例全例施行可能であり通常フードを使用した送気通常群の完遂例は6例で有意差を認めた(p<0.01).無送気MCTS群と送気通常群の術時間に有意差を認めた(p=0.001).Leak testによる耐圧能は3群間に有意差を認めた(p=0.002)が外科手縫いとDBSSでは有意差を認めなかった(p=0.542).【結論】Hybrid NOTESは,詳細で正確な切開が病変の局在によらず可能である点が他の術式を上回ると思われた.Pure EFTRはMCTSを用いた小術野展開による全層切除とDBSSを用いた全層縫合を施行すれば実現可能であり,現在動物実験での安全性を検証している.
索引用語