セッション情報 |
シンポジウム12
GIST研究の進歩と臨床への展開
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タイトル |
S12-7:切除不能・転移性消化管間質腫瘍に対する集学的治療―イマチニブ二次耐性後の治療と生存成績
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演者 |
神田 達夫(新潟大学消化器・一般外科学分野) |
共同演者 |
石川 卓(新潟大学医歯学総合病院腫瘍センター), 廣田 誠一(兵庫医科大学病院病理) |
抄録 |
【背景】転移・再発性消化管間質腫瘍(GIST)患者において,イマチニブ二次耐性発生後の詳細は知られていない.【目的】イマチニブ二次耐性GIST患者の治療の実態および,その予後を明らかにする.【患者】2012年9月までに新潟大学医歯学総合病院でイマチニブ二次耐性が診断された転移・再発性GIST患者47名.男性33名,女性14名.KIT遺伝子変異はエクソン9が6名,エクソン11が22名,未検が19名であった.二次耐性出現までのイマチニブ治療期間の中央値は19か月(6~82か月).増悪病変2個以内の限局性の増悪が27名,それ以上の広範性の増悪が20名であった.【方法】診療録,患者ファイルをもとに治療内容ごとの生存成績を分析した.加えて,年齢,性別,原発臓器,増悪形式,治療内容を含む19の臨床病理学的因子について,それらが増悪後の患者生存に与える影響を分析した.【結果】二次耐性出現後に行われた治療は,外科的切除が23名,スニチニブ治療が22名,動注塞栓療法(TAE)が15名,イマチニブ継続を含む無治療が9名であり,16名が複数種の耐性治療を受けていた.全47名のイマチニブ二次耐性診断後の50%生存期間(MST)は22か月,1年全生存率は74%,2年全生存率は44%であった.外科切除,スニチニブ治療,およびTAEの無増悪期間の中央値はそれぞれ6か月,4か月,6か月であった.初回耐性治療別にみた耐性出現後のMSTは,外科切除が45か月,スニチニブ治療が8か月,TAEが22か月,無治療が8か月であり,複数治療を受けた患者のMSTは30か月であった.多変量分析では,長い増悪前期間(20か月以内),小さい増悪病変径(5.0 cm以下),増悪腫瘍切除の施行が有意な予後良好因子であった.【結語】イマチニブ二次耐性に対しては,各治療単独での疾患制御期間は短い.患者の長期生存のためには,増悪腫瘍の外科的切除を含む集学的治療を考慮する必要がある. |
索引用語 |
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