セッション情報 シンポジウム14

消化器領域における幹細胞研究の進歩

タイトル S14-7:

培養大腸上皮細胞による消化管再生へのアプローチ

演者 中村 哲也(東京医科歯科大学消化管先端治療学)
共同演者 渡辺 守(東京医科歯科大学消化器病態学)
抄録 体外培養技術を用いた腸管上皮再生医療研究に期待が集まっている.我々はこれまでに,マウス正常大腸上皮細胞の体外培養を可能とする新しい技術を開発し報告した(TMDUプロトコール).この方法では,正常な大腸上皮細胞が非上皮細胞なしに,無血清培地で,3次元的に,継代操作を経て,長期にわたり培養することが可能となった.また,ここに得られる培養細胞を用いた移植実験の結果,体外培養を経た大腸上皮細胞が,傷害部位の欠損上皮を補充し粘膜修復に寄与しうること,かつこの上皮修復が単一の幹細胞を初発材料とした培養細胞によっても可能であることを報告した.
本シンポジウムでは,この方法を応用して微小な内視鏡生検検体から得られるヒト大腸上皮を培養する技術,またここに得られる培養細胞の性状についての新しいデータを提示したい.さらに,マウス大腸培養細胞を用いた移植実験の進捗について,移植細胞が傷害上皮に生着・修復する機構に関する新しい知見を報告する予定である.
索引用語