セッション情報 |
パネルディスカッション1
消化器領域におけるIgG4関連疾患の診断と治療~包括的診断基準を受けて~
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タイトル |
PD1-4[追加]:IgG4関連疾患としての自己免疫性膵炎の診断について
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演者 |
内藤 格(名古屋市立大学消化器・代謝内科学) |
共同演者 |
中沢 貴宏(名古屋市立大学消化器・代謝内科学), 城 卓志(名古屋市立大学消化器・代謝内科学) |
抄録 |
【目的】自己免疫性膵炎(AIP)に関する診断基準としては近年,包括診断基準,AIP国際コンセンサス診断基準(ICDC),本邦のAIP診断基準(JPS2011)が提唱されている.今回,我々は各診断基準の現状を明らかにする目的で各基準での診断能を検討した.また,AIPはIgG4関連疾患であるとの観点から全身諸臓器の生検組織につき検討を行った.【方法】血中IgG4測定が可能であったAIP70例の包括診断基準,ICDC,JPS2011における診断能及び,AIP患者の膵臓,小唾液腺,胃,十二指腸,乳頭,胆管,肝臓からの生検組織のIgG4染色につき検討を行った.【成績】1)診断能:A)包括診断基準8%(確診6%,準確診2%,疑診84%),ICDCあるいはJPS2011の併用で確診100%となった.B)ICDC99%(確診93%,準確診6%),C)JPS2011 87%(確診84%,準確診2%,疑診2%).2)診断不能の原因:A)包括診断基準:生検非施行41例,EUSFNAにて病理項目を満たさない20例であった.B)ICDC:尾側膵管の拡張が5mm以上であり,膵管像がlevel1,2とならない1例であった.C)JPS2011:膵腫大を認めない6例,限局型+ERP非施行1例,限局型+ERP途絶1例,IgG4陰性+ステロイド非使用1例,IgG4陰性+膵外病変(-)+病理(-)1例であった.3)生検組織のIgG4染色:強拡大1視野あたり10個以上のIgG4陽性形質細胞を認めたのは膵臓3/20(15%),小唾液腺3/19(16%),胃6/31(19%),十二指腸3/27(10%),乳頭10/22(46%),胆管6/28(21%),肝臓5/20(25%)であった.【結論】AIPは包括診断基準のみでの診断は困難であり,ICDC,JPS2011の併用が必要であると考えられた.IgG4染色を用いた生検では十二指腸乳頭部からの生検が最も有用であった. |
索引用語 |
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