セッション情報 パネルディスカッション2-1

生活習慣と消化器疾患:肝・胆

タイトル PD2-1-1:

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)発症においてBMIは最も有用な予測因子である

演者 三宅 映己(愛媛大学先端病態制御内科学)
共同演者 徳本 良雄(愛媛大学先端病態制御内科学), 阿部 雅則(愛媛大学地域医療学)
抄録 【背景】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は肝硬変,肝癌だけでなく,糖尿病や虚血性心疾患発症の危険因子である.NAFLDを拾い上げ,早期から介入を行うことが望まれるが,一般診療の中でNAFLD発症を簡便に予測する方法は確立されていない.【目的】検診受診者を対象に,NAFLD発症に関与する因子を明らかにし,NAFLD発症の高危険因子群を同定することを目的とした.【方法】対象は6403名の検診受診者のうち,年1回の検診を2回以上受診し,アルコール摂取量一日20g以下で,薬物の内服がなく,脂肪肝を含め既知の肝疾患のない者3215名(男性882名,女性2333名).平均年齢40.9±9.6歳.脂肪肝の有無は腹部エコー検査で判定した.NAFLD発症群,非発症群に分け,男女別に年齢,BMI,血圧,AST,ALT,GGT,ALP,空腹時血糖値,HbA1c,T-CHO,HDL-c,LDL-c,TG,尿酸について比較し,NAFLDの危険因子を検討した.【成績】平均観察期間は1208±674日でNAFLD発症は400名,8.8%であった.多変量解析では,男性ではNAFLD発症群は,非発症群に比較してBMI,ALT,HDL-cが有意な危険因子であった(P<0.05).女性ではBMI,TGが有意な危険因子であった(P<0.001).また,BMIを用いたROC解析では,男性群はROC曲線下面積が0.705,cut-off値23kg/m2,感度64.4%,特異度68.3%,予測率67.4%であった.女性群はROC曲線下面積が0.749,cut-off値22.2kg/m2,感度63.1%,特異度77.1%,予測率は75.8%であった.【結語】NAFLD発症の予測因子として,男女共にBMIが有効であった.また,NAFLD発症を予測するためのBMIのcut-off値はWHOがメタボリックシンドロームを予防するために推奨するアジア人の値とほぼ同等であった.
索引用語