セッション情報 |
パネルディスカッション2-1
生活習慣と消化器疾患:肝・胆
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タイトル |
PD2-1-6:肝脂肪化およびメタボリック症候群関連因子に及ぼす飲酒習慣の影響
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演者 |
藤田 尚己(三重大学消化器内科学) |
共同演者 |
岩佐 元雄(三重大学消化器内科学), 竹井 謙之(三重大学消化器内科学) |
抄録 |
【目的】肥満人口の急激な増加に伴いメタボリック症候群(MetS)に代表される生活習慣関連疾患が注目されるに従い,NASHの疾患概念はもはや肝臓領域に留まらず,肝脂肪蓄積自体がinsulin抵抗性や動脈硬化進展を惹起すると考えられる様になった.以上の結果は,同様に肝脂肪化を呈するアルコール性肝疾患においても,MetSや動脈硬化に及ぼす飲酒の悪影響を危惧させるが,その詳細は不明である.【方法】[Study 1]各種基礎疾患により当院外来に通院中の1080例(M/F=701/379.平均年齢=66.6±11.7歳.平均飲酒量=23±5g/日.平均BMI=23.5±3.9)に詳細な飲酒歴を聴取.それと既往/現疾患名,各種血液検査所見,内臓脂肪量や頚動脈エコー検査所見との関連を検討.[Study 2]入院加療を要した問題飲酒者101例(M/F=94/7.平均年齢=55.5±12.1歳.入院前飲酒量=139±66g/日.平均BMI=21.8±2.9)を対象に断酒後の上記項目の変化につき,prospectiveに検討.【結果】[Study 1]高率に基礎疾患を有していた(DM/HTN/DL/HU/IHD/CVA=53.3%/72.8%/49.9%/31.0%/21.7%/15.6%).飲酒量の増加に伴い,内臓脂肪量・中性脂肪値・尿酸値・フェリチン値・頚動脈プラーク有病率・虚血性疾患は有意に増加していた.[Study 2]基礎疾患有病率が高く(DM/HTN/DL/HU/IHD/CVA=43.6%/52.5%/51.5%/32.7%/7.9%/9.9%),insulin抵抗性(HOMA-IR>2.5),肝脂肪化(L/S ratio<0.9),頚動脈プラークも高率(各々43.6%/10.9%/44.6%)に認めた.断酒継続例においては,BMIや内臓脂肪量に有意な変化はなかったが,肝脂肪化・血圧・中性脂肪値・尿酸値・血糖値・HOMA-IR・フェリチン値は有意に改善した.一方,断酒失敗例においてはこれらの変化に乏しかった.【結論】基礎疾患有病者や問題飲酒者において,飲酒は肝脂肪化を介しMetSや動脈硬化に対し負に作用している可能性が高い.飽食の時代にあっては飲酒における身体問題として,肝疾患に加えMetS関連疾患からのアプローチも重要である.尚,当日は各種adipokineのデータについても供覧したい. |
索引用語 |
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