セッション情報 パネルディスカッション2-1

生活習慣と消化器疾患:肝・胆

タイトル PD2-1-11:

C型肝炎からの肝発癌および肝癌の予後における生活習慣の関与

演者 大枝 敏(佐賀大学肝疾患医療支援学講座)
共同演者 水田 敏彦(佐賀大学内科学), 江口 有一郎(佐賀大学肝疾患医療支援学講座)
抄録 【目的】C型慢性肝疾患からの発癌時期や発癌後の予後について,生活習慣がどのように影響を与えているかは明らかではない.今回,生活習慣(飲酒・喫煙・糖尿病・肥満)が肝発癌年齢および発癌後の生存予後にどのような関連するかを検討した.
【方法】対象:1990~2011年に当科で治療したHCV抗体陽性の初発肝細胞癌857例のうち,有腹水症例と生活習慣因子の欠損例を除いた780例.男/女:542/238,発癌時年齢:67.5±8.6(39-92),Tumor stage I/II/III/IV:172/284/237/82,Child-Pugh A/B/C:564/202/14,初回治療 手術/局所/その他:153/321/302,飲酒有/無:241/539,喫煙有/無:387/393,糖尿病有/無:196/584,BMI:22.7±3.2(14.7-35.0),BMI 30/<30:12/768.発癌時年齢および治療後の生存期間を目的変数として,それに関与する因子をKaplan-Meier法,Cox比例ハザードモデルにて解析した.
【結果】平均発癌年齢は,飲酒有/無:64.0±8.7/69.0±8.1(p<0.001),喫煙有/無:65.5±8.7/69.4±8.1(p<0.001),糖尿病有/無:66.0±7.9/68±8.8(p=0.003),BMI 30/<30:59.7±7.0/67.5±8.6(p=0.003),Kaplan-Meier解析ではどの因子も有意であった(log-rank test<0.001/<0.001/<0.001/<0.001).発癌年齢に寄与する因子の多変量解析では飲酒(OR 1.54,p<0.001),喫煙(OR 1.35,p=0.001),糖尿病(OR 1.35,p<0.001),BMI 30(OR 2.77,p=0.001),Child-Pugh B/C(OR 1.42,p<0.001)が有意な因子であった.治療後の累積生存率においては,単変量,多変量解析ともに生活習慣因子の関与を認めず,多変量解析にてChild-Pugh B/C(OR 1.54,p<0.001),Stage III/IV(OR 1.95,p<0.001),初回治療 その他(OR 2.19,p<0.001)が有意であった.
【結論】飲酒・喫煙・糖尿病・肥満は発癌年齢の若年化に関与していたが,発癌後の生存期間には関連していなかった.従って,生活習慣への介入は発癌前に重点的に行うことがC型肝炎患者の長生きのためには肝要である.
索引用語