セッション情報 パネルディスカッション2-2

生活習慣と消化器疾患:消化管・膵

タイトル PD2-2-3:

当院の健診における逆流性食道炎と生活習慣の検討

演者 藤澤 美亜(東海大学医学部内科学系消化器内科学)
共同演者 鈴木 孝良(東海大学医学部内科学系消化器内科学), 峯 徹哉(東海大学医学部内科学系消化器内科学)
抄録 【目的】逆流性食道炎は,H.pylori感染率の低下,食生活の欧米化,生活習慣の変化,高齢化などに伴い,本邦でも増加傾向を示している疾患である.その生活習慣における危険因子としては,これまで高齢,BMI,喫煙,飲酒,食事の摂取カロリー等があげられている.今回,私たちは当院健診受診症例を用いて,メタボリックシンドロームを含めた逆流性食道炎の生活習慣について検討を行った.【方法】対象は2011年1月から2011年12月までの当院健診受診者のうち,上部内視鏡検査を受けたのは,3612人.そのうち上部消化管内視鏡にて逆流性食道炎と診断された受診者は824人であった.性別,年齢,BMI,喫煙,飲酒,LDL-コレステロール値,食道裂孔ヘルニアの有無,メタボリックシンドロームの有無にて逆流性食道炎の罹患率を比較し,検討を行った.【成績】逆流性食道炎の罹患率は男性37.1%,女性21.8%と男性に有意に高かった.また,BMIが増加するにつれ罹患率も増加した.喫煙,LDL-コレステロール値,腹囲では差は認めなかった.メタボリックシンドロームは,逆流性食道炎と診断された受診者の9.7%にみとめ,逆流性食道炎のない受診者では6.0%であり,高い傾向をみとめたものの,有意差は認めなかった.飲酒,食道裂孔ヘルニアを持っている受診者は有意に罹患率が高かった.【結論】メタボリックシンドロームや喫煙が逆流性食道炎の危険因子となるという報告もあるが,本検討によれば,逆流性食道炎の危険因子は男性,BMI,飲酒,食道裂孔ヘルニアの4項目であった.今後,交絡因子を含め,その理由を考察し発表する予定である.
索引用語