セッション情報 |
パネルディスカッション2-2
生活習慣と消化器疾患:消化管・膵
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タイトル |
PD2-2-5:大腸ポリープ切除後再発における生活習慣病因子の検討
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演者 |
谷口 礼央(茅ヶ崎市立病院消化器内科) |
共同演者 |
秦 康夫(茅ヶ崎市立病院消化器内科), 松橋 信行(NTT東日本関東病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】糖尿病,脂質異常症など生活習慣病因子が大腸ポリープ発症に関与することが指摘されているが,ポリープ切除後再発への関与の有無を検討した論文はない.本研究では多施設共同の後向き研究にてこれを解析した.【方法】2005年1月~2011年12月の7年間に,5施設において下部消化管内視鏡(以下CS)を施行した4万3195例を対象とした.このうち5mm以上の腺腫もしくは粘膜内癌を切除しpolyp-free colonとした後,2年間,CSで経過観察した1189例を解析した.以前より再発リスク因子として指摘されている,切除ポリープの絨毛成分の有無,異型度,部位,大きさ,数に,生活習慣病因子(年齢,性別,BMI,飲酒,喫煙,高血圧,糖尿病,脂質異常症,FBS,HbA1c,T.Chol,HDL-C,LDL-C,TG)を加え,計19項目について検討した.【結果】2年間の経過観察で,再発群498例(41.9%),無再発群691例(58.1%)であった.再発群のうち1年後再発330例(27.8%),2年後再発168例(14.1%)であった.また腺腫での再発470例(94.4%),癌での再発28例(5.6%)であった.切除時に粘膜内癌であった症例は,腺腫であった症例より癌での再発率が高く,オッズ比3.30(1.51-7.23)であった.19項目と再発有無を単回帰分析すると,性別,飲酒を除いた17項目で有意差を認めた.ステップワイズ重回帰分析を行うと,異型度,大きさ,数,BMI,高血圧,FBS,LDLの7項目で有意差を認めた.【結論】ポリープ再発に,切除ポリープの異型度,大きさ,数,の他に,BMI,高血圧,FBS,LDLといった生活習慣病因子も関与している事を多変量解析で示す事ができた.本邦では,ポリペク後のCS再検査間隔について統一された見解はないが,これらの項目を考慮し,症例毎のサーベイランス間隔の設定を行う事が望ましいと考えられた. |
索引用語 |
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