セッション情報 パネルディスカッション3-2

高齢者消化器疾患の現状と対策:肝胆膵

タイトル PD3-2-1:

高齢者のC型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法

演者 今村 道雄(広島大学消化器・代謝内科)
共同演者 川上 由育(広島大学消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学消化器・代謝内科)
抄録 【目的】PEG-IFN/RBVおよびTelaprevir/PEG-IFN/RBV療法の成績から高齢者C型慢性肝炎に対する治療方針を検討する.
【方法】対象は当院においてTelaprevir/PEG-IFN/RBV療法を行ったGenotype 1型C型慢性肝炎患者74例.早期治療効果および副作用発現を65歳以下の若年者57例と66歳以上の高齢者17例(年齢中央値68歳,男性9例,女性8例)と比較した.また関連施設を含めPEG-IFN/RBV療法を施行した高齢者341例の成績も検討した.
【成績】Telaprevir/PEG-IFN/RBV療法開始4週のウイルス陰性化率は,高齢者では71%と若年者の90%に比べ低かった.治療中,高齢者では貧血がより強く生じ,治療8週の平均ヘモグロビン値は若年者で10.3,高齢者で8.2 g/dLであり,治療中止基準となる8.5未満になった症例の割合は,若年者の19%に対し,高齢者では87%と有意に高かった.このため高齢者では治療中,全例でRBVの中止が必要であり,Telaprevirの中止率も82%と若年者の37%に比べ有意に高かった.また血清Crの上昇およびeGFRの低下も高齢者では若年者に比べ強く生じた.Telarevirの血中動態(AUC24h,trough値)およびリバビリン濃度(2週時)を測定したところ,高齢者では若年者より高値であった.高齢者において副作用出現が高頻度かつ高度な一因として,全身クリアランス低下によるTelaprevirおよびリバビリンの血中濃度上昇が考えられた.高齢者に対するPEG-IFN/RBV併用療法のSVR率は,IL28B TGの症例では男性女性とも10%(3/29例,4/40例)であったが,TTの症例では男性51%(77/150例),女性29%(35/122例)であった.
【結論】高齢者では若年者に比べ,Telaprevir/PEG-IFN/RBV療法による副作用が高頻度かつ高度に生じる.また初期の抗ウイルス効果が低く,TelaprevirおよびRBVのadherenceも少ないため,若年者に比べSVR率が低値となることが予想される.高齢者のC型慢性肝炎において,IL28B TTの男性では,PEG-IFN/RBVのSVR率は51%と高く,これらの症例では,PEG-IFN/RBVが抗ウイルス療法の第一選択となる可能性があると思われた.
索引用語