セッション情報 |
パネルディスカッション6
小腸病変の診断と治療の進歩
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タイトル |
PD6-6:クローン病初回診断時におけるCT enterographyの有用性について
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演者 |
大花 正也(天理よろづ相談所病院内視鏡センター) |
共同演者 |
久須美 房子(天理よろづ相談所病院消化器内科), 鍋島 紀滋(天理よろづ相談所病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】CT enterography(CTE)は比較的低侵襲に病変の局在,性状を評価可能な小腸検査法である.我々はCTEによる日本人クローン病(CD)小腸病変評価の有用性を報告してきた(日消誌109巻).その後症例を蓄積し,CD初回診断時におけるCTEの有用性について検討した.【方法】2009年9月から2012年8月までの3年間に当院ではPEG-ES(ニフレックR)を腸管拡張剤として57件のCTEを行った.このうち,2011年9月までの成績(既報)で明らかとなったCDの特徴(腸間膜側に偏在する壁肥厚及び壁濃染)を診断的にも重要な所見と位置づけ,2011年10月以降にCDの可能性がありCTEを行った12件について,上記所見のCD診断(厚生労働省診断基準)における感度,特異度を検討した.又,全期間を通じ,初めてCDの確定診断に至った7症例について,CTEが有用であった点を後ろ向きに考察した.【成績】後期12例のうち,5例はCDの診断基準を満たした.偏在性壁肥厚は5/12で見られ,CD診断における感度は60.0%,特異度は71.4%であった.偏在性壁濃染は6/12で見られ,同じく感度は80.0%,特異度は71.4%であった.CTEは全腸管における病変の局在評価が可能であることから,病変スキップの有無を検討項目としたところ感度100%,特異度57.1%となった.そこで,病変がスキップし,かつ偏在性壁濃染/肥厚のいずれかを認めるものを陽性としたところ感度100%,特異度71.4%と良好であった.CD初回確定診断7例では,全7例でスキップした病変に腸間膜側偏在性の変化が見られており,CTE直後の内視鏡検査にて,6例でCDに特徴的な肉芽腫の証明を含む診断的な所見が得られていた.【結論】臨床的にCDを疑った場合,ニフレックRを内服した状態でCTEを撮像することで,CDに特徴的な病変の分布や性状を評価でき,引き続いての内視鏡検査で効率的に確定診断が可能である. |
索引用語 |
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