セッション情報 |
パネルディスカッション6
小腸病変の診断と治療の進歩
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タイトル |
PD6-11:蛋白漏出性腸症を来す腸リンパ管拡張症の病態分類の有用性
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演者 |
大宮 直木(名古屋大学大学院消化器内科学) |
共同演者 |
中村 正直(名古屋大学大学院消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大学大学院消化器内科学) |
抄録 |
【目的】内視鏡画像・病理所見より腸リンパ管拡張症の病態を分類し,臨床的有用性を検討する.【対象】2003年6月~2012年9月に糞便中α1-アンチトリプシンクリアランス(Cα1-AT)または蛋白漏出シンチグラフィで蛋白漏出性腸症と診断され,ダブルバルーン内視鏡(DBE)下生検・剖検で腸リンパ管拡張症と診断された13例(男性7例・女性6例,年齢40±23歳).続発性は4例(SLE,原発性マクログロブリン血症,放射線照射後,生体肝移植後),原発性は9例.【結果】DBE上,白色絨毛,散布性白点を有する白色絨毛群(7例)と,異常なし~軽度な絨毛腫大,ケルクリング皺襞腫大を呈する非白色絨毛群(6例)に二大別された.拡張リンパ管の局在は白色絨毛群で粘膜内に100%(7/7),非白色絨毛群で粘膜筋板,粘膜下層の深部に100%(6/6)認めた(P=0.0006).胃粘膜の蛇皮様変化は白色絨毛群で0%(0/7),非白色絨毛群で67%(4/6)に認めた(P=0.021).腹部造影CT上,小腸壁の肥厚濃染像は白色絨毛群で86%(6/7),非白色絨毛群で83%(5/6)に,大動脈周囲の脂肪織濃度上昇は白色絨毛群で29%(2/7),非白色絨毛群で33%(2/6)に,腸間膜・傍大動脈リンパ節は白色絨毛群で57%(4/7),非白色絨毛群で83%(5/6)に認めた.白色絨毛群,非白色絨毛群の血清総蛋白値,アルブミン値,Cα1-AT値(≦13mL/日)は各々3.7±0.6g/dL vs 3.4±0.6g/dL(P=0.57),1.9±0.4g/dL vs 1.2±0.5g/dL(P=0.026),140.0±81.4mL/日vs 284.6±165.9mL/日(P=0.063).ステロイド治療の反応性は白色絨毛群で20%(1/5),非白色絨毛群で100%(5/5)に認めた(P=0.048).ただ,非白色絨毛群の1例は一旦ステロイドに反応するも,その後効果が消失.オクトレオチドを使用するも無効で,気管支肺炎からDICに至り死亡した.【結論】この分類を用いることでステロイド反応性を予測できることが示唆された.非白色絨毛群で胃粘膜の蛇皮様変化は特徴的で,蛋白漏出量が多い傾向にあった.また,内視鏡上一見小腸粘膜に異常がなくとも生検を行い病理診断することが重要である. |
索引用語 |
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