セッション情報 |
パネルディスカッション7
進行肝細胞癌に対する化学療法の治療戦略
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タイトル |
PD7-5:肝機能から見た肝癌化学療法の選択
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演者 |
大西 秀樹(岡山大学分子肝臓病学) |
共同演者 |
能祖 一裕(岡山大学分子肝臓病学), 山本 和秀(岡山大学消化器・肝臓内科学) |
抄録 |
【背景】本邦では進行肝細胞癌に対してsorafenibと肝動注化学療法(HAIC)が選択される.これまで我々はStage IVAおよびVp3,4を有するStage IVB症例ではHAICの先行が効果的であると報告してきた.一方,sorafenibの適応はChild-Pugh(C-P)Grade Aであり,HAICの不用意な継続による肝予備能の増悪は,後治療の実施不能の原因となる.【目的】肝機能悪化の側面を加味し,どの時点でHAICから他の治療法への切り替えを考えるべきかを明らかにすること.【対象】当科で1997年よりHAICを導入された進行肝細胞癌208症例のうち,初回導入時のC-P Grade Aで,治療が複数回実施され,画像及び血液学的経過を追跡し得た61症例を対象とした.HAIC導入後の肝機能の推移,治療効果との関係をretrospectiveに解析した.【結果】Stage IIは2症例,Stage IIIは16症例,Stage IVAは34症例,Stage IVBは9症例であった.またC-P scoreが5点(C-P 5群)は35症例,6点(C-P 6群)は26症例であった.経過中にC-P score 7点以上となった症例は21症例(34%)あり,C-P 5群で9症例(26%),C-P6群で12症例(46%)であった.また治療導入からの期間は中央値でそれぞれ24.4ヶ月,9.4ヶ月とC-P 6群で早期に肝機能が増悪する傾向にあった.観察期間中にPDに進展しなかった23症例では,肝機能の増悪は3症例(13%)にしか見られなかった.一方,PDへ進展した後もHAICを継続した症例は25症例(C-P 5群:14症例 C-P 6群:11症例)あった.その内,C-P 5群で8症例(57%),C-P 6群で8症例(73%)が,PD判定後それぞれ中央値で4.8ヶ月,3.2ヶ月の経過で,腫瘍の進展によると思われる肝機能の増悪が見られた.【結論】進行肝細胞癌のHAICでは,治療自体が肝機能へ与える影響は少ない事が分かった.治療が有効なうちはHAICを継続し,腫瘍の増悪が疑われた時点で早期に他の治療への切り替えを検討すべきである. |
索引用語 |
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