セッション情報 | パネルディスカッション7進行肝細胞癌に対する化学療法の治療戦略 |
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タイトル | PD7-6:進行肝細胞癌5年生存を目指した集学的治療戦略~治療法変更のタイミングと次治療法の選択~ |
演者 | 土谷 薫(武蔵野赤十字病院消化器科) |
共同演者 | 朝比奈 靖浩(東京医科歯科大学消化器内科大学院分子肝炎制御学), 泉 並木(武蔵野赤十字病院消化器科) |
抄録 | 【目的】進行肝細胞癌治療では経過中不応となった場合に次治療をタイミングよく開始することが重要である.今回我々はソラフェニブ治療例において治療法変更のタイミングと次治療法の選択について考察した. 【方法】2009年7月から2012年5月までに当院でソラフェニブを投与した108例を対象とした.投与開始前・4週間毎にAFP,PIVKA-II,plasma VEGFを測定,投与開始前・4週後・以降8-12週毎に造影CT検査を施行しmodified RECIST基準で画像効果判定を行った.生存率はKaplan-Meier法で検討した. 【結果】平均年齢70歳,男性84例・女性24例,HCV63例・HBV13例・NBNC32例,Child-Pughスコア5点45例・6点53例・7点10例,VP3 or 4あり24例,遠隔転移あり31例であった.MSTは306日で74例が不応(PD)となり,後治療は動注5例・TACE13例・TAI4例・他の経口抗がん剤内服17例・放射線治療5例であった.後治療例のソラフェニブ中止後からの生存期間中央値は130日,動注例5例中1例はPRとなり根治切除可能となった.ソラフェニブ中止後の生存期間は4週PDが有意に短く(p=0.0124),12週PDと20週PDでは有意差はなかった.新病変なく標的病変PDでソラフェニブを増量した6例中5例がその後病変の縮小・消失を認めた.新病変ありPD・AFP前月比20%増・plasma VEGF>1000pg/ml症例のPD判定後生存期間中央値は51日であった. 【結論】ソラフェニブ投与開始4週後に新病変や門脈腫瘍栓の進行がある場合は治療法変更が妥当である.新病変なく標的病変増大のみのソラフェニブ減量例では増量により効果が得られる可能性がある.新病変出現・AFP著増例では早急な治療法変更が望ましく,特にplasma VEGF>1000pg/ml例では予後不良であり強力な化学療法が検討される必要がある. |
索引用語 |