セッション情報 | パネルディスカッション8自己免疫性肝疾患の現状と問題点 |
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タイトル | PD8-9:原発性胆汁性肝硬変において抗セントロメア抗体と抗M2抗体はbezafibrate投与による治療反応性と関連する |
演者 | 福嶋 伸良(九州医療センター消化器科・臨床研究センター) |
共同演者 | 中村 稔(長崎医療センター臨床研究センター), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】本邦では原発性胆汁性肝硬変(PBC)に対し,Ursoに加えbezafibrateも使用される.これらの薬剤による治療反応性と各種自己抗体に関連があるか検討した. 【方法】Ursoおよびbezafibrateに対する反応性が判断可能であったPBC患者,それぞれ74例と29例について検討した.Bezafibrateは全てUrsoへの追加投与だった.薬剤によるAST,ALP,γGTP,IgMの反応性を,response index(RI)で表した:RI=(投与直前値-開始1年後の値)/投与直前値.それぞれの検査項目について,RIと各種自己抗体との関連性を検討した.薬剤開始前と1年後がいずれも正常域である項目は検討から除外した. 【成績】Urso開始年齢の中央値は55歳(33-77).Ursoのみで加療された群はbezafibrate追加群より有意にScheuer分類が軽度だった(p=0.023).ANA高値(≧x80)の症例群は,低値群(<x80)と比較してUrsoによるIgMのRIが有意に低かった(p=0.020).抗セントロメア抗体陽性群は陰性群より,bezafibrateによるALPのRIが有意に高かった(p=0.038).抗M2抗体高値群(≧100)は低値群(<100)より,bezafibrateによるALT(p=0.018)とIgM(p=0.036)のRIが有意に低かった.抗M2抗体価はbezafibrateによるIgMのRIと逆相関を示した(r=-0.627,p=0.009).多変量解析では,UrsoによるγGTPのRIが1/2未満となることに寄与する独立因子として男性が抽出された.またbezafibrateに対する反応性について,抗セントロメア抗体陽性はALPのRIが1/3以上になることの,抗M2抗体価低値はIgMのRIが1/3以上になることの,それぞれ独立した因子であった. 【結論】PBC患者におけるbezafibrate追加投与において,抗セントロメア抗体陽性例では1年後の治療反応性が高く,抗M2抗体高力価の症例では反応が乏しいことが示唆された. |
索引用語 |