セッション情報 |
ワークショップ1
C型肝炎治療困難例への対策
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タイトル |
W1-4:血小板数低値のC型慢性肝炎に対するPSE先行3剤併用療法の検討
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演者 |
近藤 千紗(日本医科大学千葉北総病院消化器内科) |
共同演者 |
厚川 正則(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器肝臓科) |
抄録 |
【目的】現在の1型高ウィルス量のC型慢性肝炎に対する標準的治療はPEG-IFN/ribavirin/Telaprevirの3剤併用療法である.PEG-IFN/ribavirin療法では血小板低値症例に対するPSE先行治療が施行されてきた.今回我々は血小板数低値のC型慢性肝炎に対しPSE先行治療を施行し3剤併用療法を導入した症例について検討したので報告する.【方法】血小板数10万/μl以下の1型高ウィルス量のC型慢性肝炎患者より同意を得た上で既報に従いPSEを先行した.PSEの合併症の軽快や血小板数の増加を確認し,PEG-IFN/ribavirin/Telaprevirの3剤併用療法を導入し治療効果や安全性について検討した.本研究は薬物治験倫理委員承認のもと施行された.【結果】対象は平均年齢59歳(40-65),男性5例,女性2例の合計7症例.背景としてcore aa70は3例でmutant type,ISDR変異数は4例が0,1,IL28B(rs8099917)は3例でminor genotype(T/G),ITPA(rs1127354)は全例major homo(C/C)であった.PSE前の血小板数は平均7.5万/μl(5.6-9.2),3剤併用療法導入時の血小板数は平均12.1万/μl(6.9-17.9)であった.治療効果としてRVRを3例,eRVRを3例,cEVRを5例認め,1例がVBT,1例はNVRであった.血小板数十分な症例のRVR,eRVR率に比してやや低い印象があった.治療経過中全例血小板数は5万/μ以上で経過し,3剤の薬物平均adherenceはPEG-IFNが99.9%,ribavirinが55.7%,Telaprevirが77.8%であり血小板数十分な症例と同様であった.【結論】血小板数低値のC型慢性肝炎に対し,PSE先行を施行することで十分な薬剤投与が確保できる可能性が示唆されたが,一方で治療初期のRNA dynamicsはやや低下する印象があり治療期間の延長を含めた工夫が必要となる可能性がある. |
索引用語 |
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