セッション情報 ワークショップ1

C型肝炎治療困難例への対策

タイトル W1-8:

セロタイプ2型C型慢性肝炎再治療例に対する対策

演者 神田 達郎(千葉大学消化器内科)
共同演者 中本 晋吾(千葉大学消化器内科), 横須賀 收(千葉大学消化器内科)
抄録 【目的】本邦のセロタイプ2型(G2)C型慢性肝炎に対してはペグインターフェロン(PEG-IFN),リバビリン(RBV)併用24週間の治療が行なわれ,SVR率は初回治療例では80%近いが,再治療例では60-70%とされ,C型肝炎治療困難例の一つと考えられ,その対策は重要である.【方法】2008年3月から2012年9月まで当院ならびに県内協力施設にてPEG-IFN-alfa-2a,RBV併用療法が行なわれた406例の内G2,76例:平均年齢56±11,男性51%(39),再加療例64%(49)を対象とした.HCV RNAはTaqMan法,一部の症例ではIL28Brs8099917をTaqMan SNP法で測定した.投与終了後24週での治療効果判定が可能であった症例のSVR率を比較検討した.【成績】SVR率は初回治療例84%(11/13),再治療例62%(18/29)であり,再加療例では有意にBMI高値,RVR低下,および治療長期化がみられた(P<0.05).再加療例におけるSVR群(N=18)およびNon-SVR群(N=11)における臨床的背景因子およびVR等を比較するとNon-SVR群で血小板数の低値傾向を認めるのみであった(P=0.061).前治療PEG-IFN単独,Non-responder(NR)6例,再燃5例では24週間,~48週間の治療が行なわれ,それぞれ83%,60%のSVR,前治療PEG-IFN,RBV併用,再燃13例では69%のSVRが得られた.HCV RNA陰性化後,低値陽性,陰性を繰り返し,最終的にNon-SVRとなる症例がNon-SVR群の27%(3/11)に見られ,注意が必要である.【結論】G2 C型慢性肝炎再治療例に対してPEG-IFN,RBV併用を行なった.SVR寄与因子の更なる検討が必要であるが,一部の症例では併用48週間治療が望ましいと考えられた.
索引用語