セッション情報 |
ワークショップ1
C型肝炎治療困難例への対策
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タイトル |
W1-9:C型肝炎を有するIDUsに対するIFN-β・リバビリン併用療法の検討
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演者 |
森川 浩安(大阪社会医療センター附属病院内科) |
共同演者 |
小塚 立蔵(大阪市立大学肝胆膵内科), 河田 則文(大阪市立大学肝胆膵内科) |
抄録 |
【目的】諸外国において,HCVの新規感染患者の大部分は注射による薬物使用者(Injection drug user,IDU)である.IDUsは通常多岐にわたる精神障害を有していることが多く,うつ症状を惹起する可能性のあるIFN治療については推奨されていないのが本邦の現状である.2001年以降先進国では,IDUsに対するIFN治療の見直しがなされている.当施設が位置する地域はIDUsが多く,HCV感染率が高い地域である.今回,C型慢性肝炎を有するIDUsに対して,インターフェロンβ・リバビリン併用療法(IFN-β/RBV)を施行したので報告する.【方法】対象は,H22年4月より,H24年12月の間に当院にて,IFN-β/RBVを導入した29例である.全例治療を希望され,副作用に対する十分な説明と同意を得たうえで施行した.全例男性であり,平均年齢60歳(33-64歳),平均BMI 22.9であった.HCVセロタイプは1が5例,2が24例で,HCV-RNA量の平均は5.8 logIU/mlであった.IFN-βは最初の2‐4週間は600万単位週5回,それ以降は600万単位を週3回静注した.RBVは体重に応じて標準量を投与した.【結果】ウイルス学的著効(SVR)が得られたのは,13例(41.3%)であった.6例(20.7%)において治療完遂がなされず,2例が精神症状増悪,4例が自己中断であった.解析可能な23例を用いて,SVR群(13例)と非SVR群(10例)に分類し,単変量解析を行うと線維化ステージのみが有意差を認めた.2例の精神症状増悪を認めた以外の重篤な副作用は認めず,経過中,白血球(好中球)減少や血小板減少によるIFN-βの減量・中止例はなく,ヘモグロビン低下によるRBVの中止例も認めなかった.【結論】C型慢性肝炎を有するIDUsに対して,IFN-β/RBVは約80%において治療の完遂が可能であった.セロタイプ2型が多数を占める中でのSVRは40%と低値であったが,精神症状に配慮した観察を行えば安全かつ有用な治療法になると考えられた. |
索引用語 |
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