セッション情報 |
ワークショップ2
HBVジェノタイプとB型肝炎の病態
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タイトル |
W2-3:genotypeとHIV感染を考慮したB型急性肝炎の診療
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演者 |
影山 富士人(浜松医療センター消化器科) |
共同演者 |
小林 良正(浜松医科大学肝臓内科), 長澤 正通(聖隷浜松病院肝臓内科) |
抄録 |
【はじめに】B型急性肝炎はgenotypeとHIV感染の有無で経過と治療選択が異なる.経過と核酸アナログ(NA)を含めた抗ウイルス療法の適否を考察する.【方法】過去10年間に浜松医大関連施設に入院したB型急性肝炎を対象としgenotypeとHIV感染の有無から臨床経過を考察した.抗ウイルス療法は重症例(劇症肝炎,劇症化予知式陽性等)又は肝炎遷延(1カ月)例としNAはLamivudine又はEntecavirを用い投薬終了はHBsAg消失.HIV合併はHAARTを用いた.【結果】対象は74例(男/女:67/7 45才)でgenotype A(A群)35例,genotype B(B群)9例,genotype C(C群)16例,ND 14例.感染はSTDが61%でgenotype間に差はない.劇症肝炎は5例で全例B群,劇症化予知式陽性3例を加えた8例ではB群6例,A群とC群が各1例で死亡した2例はB群.ALTはA群/B群/C群:1485/5198/2744 IU/lでB群はより高くPTはA群/B群/C群:75.9/45.5/67.3%とB群はより低かった.ALT正常化はA群/B群/C群:68/50/77日とB群が短く,HBsAgの消失はA群/B群/C群:101/47/89日とA群が長くキャリア化4例は全例A群であった.NA投与は35例(47%)でA群は遷延例にB群は重症例に用いられC群は少数だった.A群のNA投与21例(男/女:19/2 49才)とNA非投与14例(男/女:13/1 42才)ではALT正常化はNA投与/NA非投与:50/79日,HBsAg消失はNA投与/NA非投与:97/186日とNA投与が短くNA投与後のキャリア化は投薬開始の遅れた1例のみ.HIV合併は5例(6.7%)で全例genotype A.HAART導入は2例で他の3例がキャリア化した.CD4値200の症例はALTの顕著な上昇がなく診断治療に注意を要した.【考察】重症の多いgenotype Bは早期のNA投与と肝庇護が望まれる.キャリア化は全例genotype AでNA投与はHBsAg消失の短縮とキャリア化予防の可能性があるが投薬開始時期が重要である.HAART導入のないHIV合併例は全例キャリア化し導入適否は肝炎の重症度とHIVの免疫能(CD4値)が加味され免疫再構築や長期服薬の課題が残る.【結語】genotypeとHIV感染からB型急性肝炎を検討した. |
索引用語 |
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