セッション情報 ワークショップ2

HBVジェノタイプとB型肝炎の病態

タイトル W2-12:

B型慢性肝疾患におけるHBV遺伝子型別臨床像の検討

演者 友成 暁子(手稲渓仁会病院消化器病センター)
共同演者 姜 貞憲(手稲渓仁会病院消化器病センター), 松居 剛志(手稲渓仁会病院消化器病センター)
抄録 【背景と目的】B型慢性肝疾患は,HBV DNA Genotype(Gt)により臨床像が異なる可能性があるが,Gt分布には地域差もあるため不明な点が多い.慢性HBV感染症におけるGt別の臨床像を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】1986年から2012年8月までにGtを決定したB型慢性肝疾患561症例を対象とした.1.患者背景,2.肝疾患進行度,3.HBsAgとDNA量,4.HCC合併についてGt別に検討した.【結果】1.対象のGtは,A 8(1.4%),B 163(29.1%),C 387(69.0%),D 3(0.5%)であり,決定し得たGtB subgenotypeはBa 1,Bj 125であった.全症例の診断時年齢は中央値50(17-85)歳,男女比は294:227(GtA 5:3,B 89:74,C 209:178,D 3:0)であった.2.肝疾患進行別では,GtAは無症候性7(87.5%),慢性肝炎1(12.5%),肝硬変0であった.同順でGtBは125(76.7%),30(18.4%),8(4.9%),C 153(39.5%),190(49.1%),44(11.4%),Dは全例ASCであった.(p<0.01,Gt B vs C)3.HBsAg量の中央値はGtA 3.5log IU/ml,B 2.6log IU/ml 0,C 3.5logIU/ml,D 2.0log IU/mlであった(p=0.01,GtB vs C).DNA量の中央値はGtA 3.8logIU/ml,B 4.1logIU/ml,C 2.9logIU/ml,D 2.6logIU/mlであった(p<0.001,GtB vs C).4.HCC合併は42例でGt A1(20%),B4(6.4%),C37(10.1%),D0であった.診断から発症までの平均期間はB 8.5ヶ月,C 4.2ヶ月であり,Gt B,Cにおける累積HCC発生率は5年2.4%,11.5%,10年2.4%,15.9%であった.(p=0.00003)【考案と結論】慢性HBV感染では,Gt Bが約3割を占め,Gt Bに比してCは肝病態進行により強く関連した.GtBはDNA量が,GtCはHbsAg量が高い傾向を認めた.Gtにより肝疾患進行度が異なることは,GtがHBV感染病態や宿主免疫応答に影響する可能性を示唆している.
索引用語