セッション情報 |
ワークショップ3
B型肝炎ウイルスの再活性化の現状と対策
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タイトル |
W3-4:リウマチ性疾患における免疫抑制療法後のB型肝炎ウイルス再活性化に関する東北地方多施設前向き調査研究
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演者 |
小林 浩子(福島県立医科大学医学部消化器リウマチ膠原病内科学講座) |
共同演者 |
浦田 幸朋(つがる西北五広域連合西北中央病院リウマチ科), 大平 弘正(福島県立医科大学医学部消化器リウマチ膠原病内科学講座) |
抄録 |
【目的】我々は東北地方のリウマチ性疾患患者における,免疫抑制療法後のB型肝炎ウイルス再活性化の実態を調査するため,HBIRTH(Hepatitis B virus Infection in Rheumatic diseases in ToHoku area)研究会を立ち上げ,厚生労働省の研究班が提唱した2009年度版B型肝炎対策ガイドラインが有用であるかどうかを検討する目的で,多施設による前向き研究を行った.【方法】免疫抑制療法を開始する前HBs抗原,HBc抗体およびHBs抗体価を測定し,HBs抗原陰性でHBc抗体あるいはHBs抗体が陽性の場合(既感染者),HBV-DNAを12ヶ月間毎月測定した.HBV-DNA未検出からシグナル陽性(<2.1+LC/ml)となった場合を再活性化と定義し,1年間の調査期間が終了した患者集団における既感染者の割合,既感染者におけるB型肝炎ウイルス再活性化率,再活性化症例における治療法について検討した.【結果】2010年6月から2011年9月までに登録された95例(関節リウマチ65例,全身性エリテマトーデス12例,リウマチ性多発筋痛症4例,ベーチェット病3例,多発性筋炎3例,ANCA関連血管炎1例,成人Still病1例,高安病1例,皮膚筋炎1例,結節性多発動脈炎1例,強皮症1例)の年齢は17-90歳(中央値57歳),そのうち既感染者は21例(22%)だった.治療前HBV-DNAシグナル陽性例はいなかった.既感染者の3例(14.2%)にウイルスの再活性化が認められ,2例でエンテカビルが投与された.再活性化した3例全例ともプレドニゾロン少量単独(5-20 mg/day)で治療を受けており,肝炎は発症していない.【考察】ガイドラインに沿った診療方法でB型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した例はなかったが,検査間隔や再活性化時の治療方法については検討を重ねる必要がある. |
索引用語 |
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