セッション情報 ワークショップ6

未分化型早期胃癌の診断とESDの適応

タイトル W6-4:

未分化型混在早期胃癌に対するESDの妥当性の検討

演者 佐藤 知子(国立がん研究センター中央病院消化管内視鏡科)
共同演者 九嶋 亮治(国立がん研究センター中央病院病理診断科), 小田 一郎(国立がん研究センター中央病院消化管内視鏡科)
抄録 【目的】未分化型混在早期胃癌の取扱いは未だ明確でない.外科切除早期胃癌の組織型とリンパ節転移の関係を検討し未分化型混在早期胃癌の取扱いについて考察した.【方法】1997年7月から2012年7月に当院で外科切除術された早期胃癌2712例のうち,他臓器癌合併・残胃癌・胃管癌・内視鏡治療後・特殊型を除外した2584例を対象とした.組織型は胃癌取扱い規約に準じ量的な優勢像より,純粋分化型(D群:602例),純粋未分化型(U群:1114例),分化型優位混在型(DM群:454例),未分化型優位混在型(UM群:414例)の4つに分類し検討した.【結果】pMのリンパ節転移はD群:0/299例(0%),U群:26/716例(3.6%),DM群:14/181例(7.7%),UM群:15/197例(7.6%)と純粋型に比べ混在型で有意に多く,pSMでもD群:57/303例(18.8%),U群:66/398例(16.5%),DM群:86/273例(31.5%),UM群:69/217例(31.7%)と同様の結果であった.pMのリンパ節転移陽性の55例のうち,脈管侵襲陽性が4例,UL(+)の純粋未分化型または混在型が46例,未分化型成分が2cm以上のDM群が3例であった.脈管侵襲陰性,UL(-),未分化型成分が2cm以下のDM群2例にリンパ節転移を認めた.【結論】混在型は純粋分化型,純粋未分化型よりリンパ節転移の頻度が高く,悪性度が高いと考えられた.未分化型成分が2cm以下の粘膜内癌も頻度は低いがリンパ節転移を認め,取扱いには注意が必要である.
索引用語