セッション情報 ワークショップ7

大腸腫瘍に対するESDの課題と今後の展開

タイトル W7-7:

大腸ESDの腫瘍径に関した保険適応制限条項は適当か

演者 本間 清明(日本海総合病院治療内視鏡科)
共同演者 大滝 雄造(日本海総合病院治療内視鏡科), 名和田 義高(日本海総合病院治療内視鏡科)
抄録 【はじめに】食道では10cmを超える全周性病変や,胃では20cmを超える病変にもESDがなされ,術前検索で指摘しえなかった微小な病理所見をとらえることが可能となった.一方大腸では,腫瘍径に保険適応制限が盛り込まれており,今回この妥当性を検討する.
【対象と方法】先進医療導入後に大腸ESDを施行した108病変を対象とした.全例SBナイフJrタイプを用いた同一手法で切除し,ほぼ全例ゼオクリップを用いて創部縫縮した.腫瘍径5cm以下をA群,5cmより大きな群をB群とした.
 なお,当初からLST-G(顆粒均一型)はESDの対象とせず,保険適応後はその適応制限も念頭に加えた.
【結果】A群は96病変で,平均患者年齢70歳,部位は深部結腸59病変,S状結腸19病変,直腸18病変,肉眼形態はLST-G 35例,LST-NG 46例,その他5例であった.治療成績は,平均切除径36.4mm(22-56),平均病変径30mm(20-46),平均術時間36分(6-89),一括切除率97.9%であった.病理組織は,腺腫5病変,癌91病変でsm2以深は8病変であった.半年後経過観察できた79例に局所再発は認めなかった.
 B群は12病変で,平均患者年齢73歳,部位は深部結腸9病変,直腸3病変,肉眼形態はLST-G 10例,LST-NG 1例,その他1例であった.治療成績は,平均切除径74.4mm(52-135),平均病変径68.5mm(51-123),平均術時間68.5分(51-235),一括切除率100%であった.全病変癌病変でsm2以深は1病変であった.半年後経過観察できた9例に局所再発は認めなかった.
 全例に穿孔,緊急外科手術移行,後出血を認めなかった.
【考察】両群の検討では,切除成績は同等で術時間のみ有意差を認めた.詳細な術前検索を行った上では追加外科治療を要した病変割合も差は認めなかった.また,単位面積あたりの切離速度を分析するとB群はA群の1.6倍早く,大型病変であるほど操作性が安定する傾向を示した.
 以上より,手技の安定した施設においては,病変径5cmより大きな病変の大腸ESDを先進医療とするなどの検討がなされるべきと考えた.
索引用語