セッション情報 ワークショップ11

硬化性胆管疾患の現状と問題点

タイトル W11-5:

硬化性胆管炎の臨床像~自験例からみた原発性硬化性胆管炎の実態~

演者 山本 隆一(広島記念病院内科DELIMITER広島大学病院総合内科・総合診療科)
共同演者 菅野 啓司(広島大学病院総合内科・総合診療科), 田妻 進(広島大学病院総合内科・総合診療科)
抄録 【目的】硬化性胆管炎は従来の原発性硬化性胆管炎(PSC)と二次性硬化性胆管炎の分類に加えて,自己免疫性膵炎(AIP)に伴う胆管像に代表されるIgG4関連疾患の一表現型(IgG4-SC)としてのカテゴリーが存在することが注目されている.2012年にIgG4関連硬化性胆管炎の診断基準が提唱されたことから硬化性胆管炎は鑑別が必要な疾患群と認識されており,当科における硬化性胆管炎の臨床像をretrospectiveに検討して分類に伴う診療のあり方を検証した.【方法】2003年から2012年6月までに当科にて診療した硬化性胆管炎21例(16-72歳,男女比13:8)を対象として,上記の分類に基づく各カテゴリーの臨床像(臨床症状,合併症,臨床経過)を検討した.【結果】1.初期診療において発熱,黄疸,腹痛などの臨床症状を有したものは19例(90%),炎症性腸疾患による症状は9例(43%)であった.2.PSC/IgG4-SC比は16/5で,PSC中11例に炎症性腸疾患(IBD)を合併した(56%).IgG4-SC中3例(60%)はAIPによるSCであった.3.PSCのうち肝移植施行の2例は予後不良で再移植待機中で,胆道癌合併2例は拡大右葉切除施行の肝内胆管癌は術後10年間経過良好ながら胆摘および拡大右葉切除を施行した胆嚢癌は術後1年経過後に永眠した.IgG4-SC中1例に血小板減少性紫斑病を合併し長期ステロイド治療を必要としたが,肝門部胆管癌との鑑別に難渋し,術後IgG4-SCと判明した.【考察と結論】SCからIgG4-SCを除外することでPSCの臨床像がより明確となった.診断手法や病型分類が明確化されるにつれてその臨床像が広く理解されて,よりハイレベルな初期診療が可能になるとともに予後の向上が期待される.
索引用語