セッション情報 |
ワークショップ12
胆膵疾患に対するinterventional EUSの現状
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タイトル |
W12-6[追加]:on-site cytologist導入前後での超音波内視鏡下吸引膵組織生検診断能の検討
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演者 |
石井 清文(千葉大学消化器・腎臓内科学) |
共同演者 |
石原 武(千葉大学消化器・腎臓内科学), 横須賀 收(千葉大学消化器・腎臓内科学) |
抄録 |
【目的】膵疾患に対するEUS-FNA診断能の成績を,on-site cytologist導入前後において比較検討する.【方法】2012年8月までに当科でEUS-FNAを施行した延べ379例中,膵腫瘤性病変に対してEUS-FNAを行い,かつ最終的に確定診断が得られた240例(男性155例,女性85例)を対象とした.検査技師による穿刺検体の迅速細胞診(on-site cytology)が導入された2009年5月以前と以後で,EUS-FNAの成績を比較検討した.EUS機器としてscopeはGF-UC240P(OLYMPUS),超音波装置はSSD-4000(ALOKA),prosound α10(ALOKA)を使用した.穿刺針は22gauge針を基本とし,穿刺対象に応じて25gauge針,19gauge針も適宜使用した.【結果】膵腫瘤性病変240例の最終診断は,膵管癌150例,転移性膵腫瘍6例(腎癌3例,肺癌3例),慢性膵炎(腫瘤形成性膵炎)もしくは自己免疫性膵炎53例,その他31例であった.1症例あたりのEUS-FNA施行回数は平均1.11回,1回のEUS-FNA検査での穿刺回数は平均2.51回であった.検体採取率は組織診のみで85.7%,組織診・細胞診を合わせると95.8%であり,最終診断に基づいたEUS-FNAにおける膵疾患の良悪性診断能は,感度87.7%,特異度100%,正診率91.7%であった.合併症として術後に限局性腹膜炎を1例発症したが保存的に軽快した.on-site cytologist導入以前と以後とで,1回のFNA検査での穿刺回数は2.42回から2.60回と変化はみられなかったが,診断に耐えうる検体採取率が93.8%から97.6%と改善された.良悪性診断における感度は83.8%から91.5%,正診率は88.5%から94.5%と改善がみられた.【結論】EUS-FNAは膵疾患における病理診断として有用で安全性の高い検査法であり,当科ではon-site cytologist導入によりEUS-FNAの成績向上が得られた. |
索引用語 |
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