セッション情報 |
ワークショップ12
胆膵疾患に対するinterventional EUSの現状
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タイトル |
W12-8[追加]:膵神経内分泌腫瘍に対するEUS-FNAの有用性の検討―病理組織学的診断のための検体処理の工夫―
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演者 |
海野 純(東北大学消化器内科) |
共同演者 |
菅野 敦(東北大学消化器内科), 下瀬川 徹(東北大学消化器内科) |
抄録 |
【背景】膵充実性腫瘍に対するEUS-FNAの病理組織学的診断は有用とされているが,膵神経内分泌腫瘍(PNET)に対する有用性は不明である.【目的】PNETに対するEUS-FNAの有用性を検討する.【対象】2008年1月から2012年8月までに当科で施行したEUS-FNA 382例中,最終診断がPNETであった36例.【方法】1)PNETの組織学的診断の可否,2)PNET手術例において,EUS-FNAによる組織標本と手術標本におけるKi67 LIの比較を行った.また,3)当院におけるEUS-FNAの病理組織学的診断のための検体処理の工夫について紹介する.【結果】1)最終診断がPNETであった36例中,EUS-FNAでPNETと診断できた症例は33例(91.7%)であった.診断できた症例と出来なかった症例の腫瘍径は,21.2±12.1 vs 11.7±4.7 mm,p=0.19で有意差を認めなかった.2)手術例23例のうち,EUS-FNAで採取した組織と切除標本のKi67 LIが比較可能なのは,現時点で14例であった.両者のKi67 LIはよく近似し,WHOのgrade分類は12例(85.7%)で合致した.3)当院におけるEUS-FNAの検体処理は,a.穿刺後に検体をプレパラート上に押し出し,糸ミミズ状の部分だけをホルマリンで満たしたディッシュに移す.b.糸ミミズ状検体の白色部分(組織)と赤色部分(凝血塊)を18G針で切り分けて,各々提出する.c.プレパラートに残った血性液体にも細胞成分が含まれているので,すりあわせ,1枚はパパニコロ染色用にエタノール固定し,もう1枚はDiff Quick染色を行い,上皮細胞の採取を確認した後,手技を終了する.【結論】EUS-FNAによるPNETの病理組織学的診断能は極めて高く,Grade分類も推測できる可能性が示唆された.EUS-FNAで採取される検体を全て診断に用いる当院の検体処理は,EUS-FNAの病理組織学的診断能を向上させる. |
索引用語 |
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