セッション情報 ワークショップ12

胆膵疾患に対するinterventional EUSの現状

タイトル W12-9:

当院におけるメタリックステントを用いた超音波内視鏡下嚢胞ドレナージの治療成績

演者 池内 信人(東京医科大学消化器内科)
共同演者 糸井 隆夫(東京医科大学消化器内科), 森安 史典(東京医科大学消化器内科)
抄録 【背景と目的】近年,超音波内視鏡(EUS)の発展はめざましく,胆膵領域においては観察,診断だけに留まらず,ひろく治療にも応用されている.なかでもEUS下膵仮性嚢胞ドレナージ(EUS-PCD)はその有用性が多数報告されている.当院においても,これまでにEUS-PCDの有用性を報告してきた.しかしながら,使用する処置具は未だ標準化には至っていないのが現状である.一方近年,大口径の瘻孔から短期間で確実なドレナージが得られるという理由から,EUS-PCDにおいてメタリックステント(MS)が用いられ,その有用性が注目されている.今回われわれはMSを用いたEUS-PCDの実際の手技をvideoで供覧し,当院での成績を示すとともに,その有用性を検討する.【対象】2004年から現在までEUS-PCDを施行した69例のうち,MSを用いた22例を対象とした.平均年齢53.7±14.4歳,男女比19:3,平均嚢胞径109.5±38.3mm.使用したMSは通常胆管用MS(WallFlex partial covered type)1例,ダンベル型(AXIOS)16例,フレア型(Niti-S pseudocyst drainage)MS 5例である.なお,11例においてEUS-PCDに引き続きnecrosectomyを追加した.【成績】平均観察期間12.7ヶ月,手技成功率は100%(22/22),奏効率100%(22/22),平均手技時間33.4分,MS抜去までの平均日数40.4日であった.偶発症は3例(13.6%)において認め,内訳は出血1例(通常胆管用MS),腹膜炎1例(ダンベル型),MS逸脱1例(フレア型)であった.なお,致命的な偶発症は認めなかった.【結語】MSを用いたEUS-PCDは,有効で比較的安全な治療方法であるといえる.膵仮性嚢胞に対する標準治療の1つになりうると考えられた.
索引用語