セッション情報 ワークショップ12

胆膵疾患に対するinterventional EUSの現状

タイトル W12-10[追加]:

Peripancreatic fluid collectionに対するInterventional EUSの検討

演者 加藤 博也(岡山大学病院消化器内科)
共同演者 岡田 裕之(岡山大学病院消化器内科), 山本 和秀(岡山大学病院消化器内科)
抄録 【目的】当施設で施行したPeripancreatic fluid collection(PFC)に対するInterventional EUS(IV-EUS)の成績について検討した.【方法】対象は2003年1月から2012年3月の間に当施設で経験した臨床症状を伴うPFC53例(男:女=42:11,平均年齢55歳).嚢胞径の中央値は66mm(28-217mm),感染性嚢胞が27例,非感染性嚢胞が26例であった.IV-EUSは19GのFNA針で穿刺後,5Fr先端tapering catherter,8Fr Double lumen catherter,8mm径のballoon catheterで拡張したのちdouble guidewireとした.60mm未満で感染を伴わない嚢胞は複数の7FrZimmon型plastic stent(PS)を留置して内瘻のみとし,60mm以上,あるいは感染性嚢胞に対しては,複数のPSに加え経鼻チューブを留置して内外瘻とすることを基本とした.内外瘻後,1~2週間の経過で改善を認めない場合は,消化管拡張バルーン(12-18mm)で瘻孔をさらに拡張してPSを追加留置した.外瘻は内腔のfluidが消失し,感染が沈静化した時点で抜去することとし,成功率,臨床経過,合併症について検討した.【成績】IV-EUSにより全例でドレナージは成功し,嚢胞は全て縮小消失した.初回の処置で改善したのは27例(50.9%)で,残りの26例は追加処置を必要とした.その内7例で消化管拡張バルーンにて瘻孔を拡張後,PSを追加留置したが,その後追加処置が必要な症例はなかった.合併症は7例に認め,PSの迷入3例,腹膜炎3例,術後誤嚥性肺炎を1例に認めた.60mm以上,あるいは感染性嚢胞は41例あり,初回のsessionで内外瘻としたものは27例で,追加sessionが必要だったのは13例(48%)であった.一方,内外瘻としなかった14例中13例(92.9%)は2回以上のsessionを必要とした.【結語】PFCに対するIV-EUSは有用な治療であり,径60mm以上,あるいは感染性嚢胞については,まず内外瘻とすることが重要である.改善が不十分な場合にはさらに瘻孔を拡張後,PSを追加留置することで良好な結果が得られる.
索引用語