セッション情報 |
ワークショップ12
胆膵疾患に対するinterventional EUSの現状
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タイトル |
W12-11[追加]:EUSによる膵管ドレナージの現状
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演者 |
多田 大和(会津中央病院消化器科) |
共同演者 |
岩尾 年康(会津中央病院消化器科), 吉田 浩司(川崎医科大学肝胆膵内科学) |
抄録 |
<目的・対象>2007年から2012年まで5年間で膵管のドレナージを必要とした165例のうち,ERP応用手技でドレナージ不能であった12例を対象とした.7例は慢性膵炎の急性増悪,3例はPD後の膵液漏,1例は慢性膵炎に伴う膵液漏,1例は膵管癒合不全の副乳頭からのERPD挿入を目的としたランデブー法のために施行した.今回この通電法による手技の安全性,効果について評価を行った.<方法>2007年~2010年:通電型の針状ナイフ(Cook)で膵管を穿刺後,ガイドワイヤー下に両端pig-tail型カテーテル(Cook)を挿入とした.2011年~2012年:19GのFNA針(Boston社)で穿刺後,ガイドワイヤー下に通電用ナイフ(Century)で穿刺ラインを拡張.その後STENT(Cathex)を挿入とした.<結果>12例中10例に手技の完結が可能であった.2010年までの針状ナイフでの方法では8例中2例に手技の完結が不可能であったが,2011年以降のFNA針+通電dailatorでは4例とも手技の成功が可能であった.合併症として,1例膵液漏にて手術となったが,他に大きな合併症は経験しなかった.いずれの症例においても通電による膵炎の増悪は認めなかった.膵管ドレナージが施行可能であった10例は,一時的な膵管の減圧は全例で可能であった.10例中1年以上の経過観察を行っている8例では,2例が他病死,1例は副膵管からのERPD交換を行っており,残りの5例は1年に1回のSTENT交換を行っている.STENTの逸脱にて再穿刺を必要とした症例はなかった.膵液漏にて穿刺成功した2症例は,その後膵液漏は止まり良好な経過をとった.<結語>膵管減圧を目的とするEUS下ドレナージはERCPによる減圧方法が不能な場合には良い適応となる.特にPD後の膵液漏には良い適応となる.また,穿刺,穿刺部位の拡張のための膵内の通電は現時点で問題はないと思われた. |
索引用語 |
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