セッション情報 ワークショップ12

胆膵疾患に対するinterventional EUSの現状

タイトル W12-12:

超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージにおける胆管-消化管吻合例の短期および長期治療成績

演者 洞口 淳(仙台市医療センター消化器内科)
共同演者 藤田 直孝(仙台市医療センター消化器内科)
抄録 【目的】超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ(ESBD)における胆管-消化管吻合(BEA)の短期および長期治療成績を検証すること.【対象および方法】2007年1月から2012年6月までに,当センターでESBDを施行した46例中,BEAを行った悪性胆道閉塞42例を対象とした.対象の内訳は男女比19:23,平均年齢72歳で,標的胆管は肝外胆管26例,肝内胆管16例であった.ESBDの方法は,19G針を用いEUSガイド下に経消化管的に胆管を穿刺し,穿刺ルートを拡張後,ステントを留置する手順で行った.初回にはPlastic stent(PS)またはMetallic stent(MS)を用い,PS留置例でステント閉塞を来した症例や長期予後が見込める症例では,必要に応じ後日MSへの交換を行った.検討項目はESBDの1.ドレナージ効果,2.早期偶発症,3.後期偶発症,4.ステントのTime to dysfunction(TTD)についてである.【結果】1.ESBDを行った42例中,94.4%(34/36)で良好な減黄効果が得られた.2.早期偶発症は11.9%(5/42)にみられ,内訳は腹膜炎4例,ステント迷入1例であり,いずれもPS留置例であった.腹膜炎発症例は全例保存的加療で,ステント迷入例では再ESBDを行い内科的治療にて軽快した.3.初回にPS留置を行った18.1%(6/33)でステントの機能不全がみられ(胆泥による閉塞5例,逸脱1例),3例ではMSへの交換を行った.また初回にPSを留置した症例で,長期予後が期待された11例では二期的にMSへの交換を行った.MS留置は一期的に施行した9例を含め計23例で行われ,その内17例がBEAの型で留置を行った.BEAでMSを留置した23.5%(4/17)でステントの機能不全がみられ,内訳は消化管の肉芽増生に伴うMS閉塞が2例,食残による閉塞1例,逸脱1例であった.4.PSおよびMS留置例のTTDはそれぞれ,中央値75日,529日で,MS群で有意に長い結果であった(P=0.0241).【結語】ESBDは安全に施行可能で,治療効果も高い.特にMS留置によりBEAを行った症例では,長期にわたり良好なドレナージが期待できる.
索引用語