セッション情報 | プレナリー セッション食道 |
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タイトル | PL-003:PPI抵抗性胃食道逆流症に対する腹腔鏡下根治的手術の適応と成績 |
演者 | 諏訪 達志(柏厚生総合病院外科) |
共同演者 | 猪瀬 悟史(柏厚生総合病院外科), 苅込 和裕(柏厚生総合病院外科), 朝蔭 直樹(柏厚生総合病院外科), 十束 英志(柏厚生総合病院外科), 中村 直和(柏厚生総合病院外科), 岡田 慶吾(柏厚生総合病院外科), 松村 知徳(柏厚生総合病院外科), 北村 謙太(柏厚生総合病院外科) |
抄録 | PPI抵抗性胃食道逆流症の原因としては,食道裂孔ヘルニアが高度であることなどで,容易に胃食道逆流がおきることがよくある.この場合にはQOLを改善するためにも手術が必要となる.当院では手術が必要な患者を,少量の経口透視試験で実際の逆流を確認することで選んでいる.手術をより低侵襲に行うこと,胃の可動性を残すこと,flapによる腹部食道への締め付けを加減して術後の違和感を減らし,高い満足度を得ることに配慮してきた.【手術適応】当院では胃食道逆流症の手術適応については,ガイドラインでの適応に加え,明らかな胃食道逆流があることを確認するため,経口透視検査を次の手順で行う.1)全投薬なしで,立位にて150 mlのバリウムを一気に飲んでもらい,全量が胃に入ったら仰臥位にする.2)その後左側臥位にし,仰臥位に戻し,右側臥位にする.3)以上の間に胃食道逆流が認められた場合,高度,中等度,軽度に分類する.逆流が少なくても明らかに頚部食道まで逆流が認められれば中等度とする.基本的に中等度以上の患者に逆流防止手術を行う.【手術操作のポイント】1)手術は術者とscopist兼助手の2人で行う.2)fundoplicationにおいて,胃の可動性を残すために,flapの横隔膜への固定は基本的に行わない.3)術後の嚥下困難の原因となるflapによる腹部食道への締め付けがないように留意して,胃底部の授動は十分に行う.4)食道裂孔ヘルニアの再発予防のために裂孔縫縮を腹部食道背側において行う.裂孔縫縮が困難な場合にはParietex meshを用いる.5)良好な視野を得るために,scopeを局面に応じて複数のポートから挿入して行う.【結果】腹腔鏡下Nissen手術を上記の適応で55例施行した.手術時間は約60分であり,通常3病日に退院となる.全例において,術後の胃食道逆流は認められず,55例中52例においてPPIの中止が可能であった.手術を受けた患者の満足度は総じて高かった. |
索引用語 |