セッション情報 プレナリー セッション

食道

タイトル PL-006:

超音波内視鏡およびFDG-PET/CTによる食道癌術前リンパ節転移診断能の比較検討

演者 佐々木 健(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学)
共同演者 奥村 浩(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学), 内門 泰斗(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学), 喜多 芳昭(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学), 松本 正隆(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学), 大脇 哲洋(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学), 石神 純也(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学), 帆北 修一(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学), 上野 真一(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学), 夏越 祥次(鹿児島大学大学院消化器・乳腺甲状腺外科学)
抄録 【目的】食道癌のリンパ節転移個数は重要な予後因子であり,治療前のリンパ節転移診断は治療方針を決定するうえで重要である.今回,EUSおよびPETの術前リンパ節転移診断の意義について検討した.【対象】2008年から2011年の間に,右開胸R0手術を施行した前治療歴のない食道扁平上皮癌50例を対象とした.男女比46:4,平均年齢64.1歳,深達度T1a:T1b:T2:T3=3:31:4:12であった.【方法】EUSは10-MHzのリニア型装置を使用し,リンパ節を3つのtypeに分類しtype1を転移陰性,type2,3を転移陽性とした.PETはリンパ節集積のSUVmax≧2.5を転移陽性とした.術前診断と摘出標本の病理結果をもとに,EUSとPETの診断精度を比較検討した.【結果】EUS,PETでのリンパ節転移診断の感度/特異度/正診率はそれぞれ61.9/72.4/68.0%,38.1/69.0/56.0%であった.転移リンパ節32個のうちPETのみで転移陽性と診断されたものが2個存在したが,いずれもEUSでは描出困難な部位に存在するリンパ節であった.PETで転移陽性と診断されたリンパ節の大半は長径10mm以上であった.EUSのみで転移陽性と診断されたリンパ節が11個あり,そのうち6個は10mm未満であった.PET,EUSの両者ともに転移と診断できなかった症例は,微小なリンパ節転移巣で主病巣の深達度が浅い症例が多かった.【まとめ】PETによる転移リンパ節診断の感度は低いが所属リンパ節範囲外のリンパ節やEUSでは描出困難な部位のリンパ節の転移診断に有用なことがある.EUSによるリンパ節の形態・内部構造の評価が径の小さな転移リンパ節診断に有用であった.転移巣が微小なリンパ節転移の術前診断は今後の課題と考えられる.
索引用語