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肝硬変

タイトル PL-014:

B-RTO後の食道静脈瘤悪化時期に対する検討と対策について

演者 田村 彰教(日本大学医学部・消化器肝臓内科)
共同演者 松岡 俊一(日本大学医学部・消化器肝臓内科), 森山 光彦(日本大学医学部・消化器肝臓内科)
抄録 【目的】B-RTO成功例における食道静脈瘤の悪化する時期を検討し,注意点と対策について報告する.【対象と方法】2007年2月以降にB-RTOを施行した43例.年齢中央値66.7(43-80)歳,男:女=23:20,Child-Pugh A:B:C=20:22:1で成因はHBV:HCV:NBNC=6:27:10.成功率は,日本門脈圧亢進症学会編:門脈圧亢進症取扱い規約「改訂第二版」2004の内視鏡所見記載基準に従いF1以上の改善を示したもの,ないしは消失したものを成功例と判定して算出した.【成績】B-RTO成功率は88.4%(38/43)であった.B-RTO時の食道静脈瘤合併率は93.0%(40/43)でありそのうちF1は35例,F2は4例,F3が1例であった.F3食道静脈瘤はB-RTO前にEVLを施行した.F2の食道静脈瘤を有した症例4例はすべてB-RTO後に治療を要し,中央値は6.5ヶ月後であった(5~9ヶ月).F1の食道静脈瘤症例は35例中4例のみ(11.4%)がB-RTO後に治療を要し,中央値は13.5ヶ月後であった(9.5~15ヶ月).治療内容は全例EVLであった.【考察】F2食道静脈瘤はB-RTO後4ヶ月毎に内視鏡観察が必要で,F1食道静脈瘤はB-RTO後8ヶ月毎内視鏡観察でよいと思われる.F1食道静脈瘤のうち約1割に1年後EVLを要すものが存在するが,検討によると相関するのはB-RTO後判定で胃静脈瘤完全消失例(P<0.001)とEOI総量30ml以上の症例(P<0.05)であった.【結語】F1の食道静脈瘤を合併した症例に強いB-RTOを行った場合には,約1年後に要EVLとなる可能性があることを念頭に内視鏡フォローアップをすべきである.
索引用語