セッション情報 プレナリー セッション

肝硬変

タイトル PL-018:

肝硬変の栄養ガイドライン作成と今後の課題

演者 遠藤 龍人(岩手医科大学消化器・肝臓内科)
共同演者 加藤 章信(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 鈴木 壱知(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 高後 裕(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 上野 義之(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 羽生 大記(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 片山 和宏(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 西口 修平(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 坂井田 功(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 加藤 昌彦(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 白石 光一(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 久保木 真(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 川村 直弘(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 岩佐 元雄(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 川口 巧(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 徳本 良雄(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 今中 和穂(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 伊藤 敏文(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 森脇 久隆(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班), 鈴木 一幸(厚生労働省「肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養ガイドライン作成を目指した総合的研究」班)
抄録 【目的】慢性肝疾患の栄養ガイドラインは欧米を中心に作成されてきたが,わが国の現状を踏まえた栄養指針が必要である.2008年から2010年に本研究班が組織され,わが国の肝硬変患者に見合った栄養ガイドラインの作成を目標とした活動が行われた.その活動経過を報告するとともに今後の課題について述べる.【方法】慢性肝疾患患者の身体計測,肥満度,栄養摂取状況に関する全国多施設実態調査を行うとともに,個別研究として,1.肝硬変の蛋白-エネルギー代謝異常を表す新たな栄養指標の開発,2.鉄,亜鉛,セレンなどを含む微量元素動態の解析,3.糖質代謝,蛋白-エネルギー代謝,脂質代謝異常の解析,4.低栄養状態やアミノ酸インバランスと免疫との関連,5.瀉血,鉄制限食,亜鉛補充療法の有効性,6.BCAA療法による肝発癌抑制効果,7.分割食の効果を検討した.【成績】わが国の肝硬変患者の栄養摂取量や生活活動量,筋肉量,筋力,鉄代謝動態は脂肪性肝疾患や慢性肝炎患者とは異なり,三大栄養素摂取量の偏りや栄養摂取不足例も未だ多く存在しているなど,栄養代謝異常の多様性が明らかとなった.本研究班の成果ならびにこれまでの国内外の文献的考察および研究分担者,研究協力者の意見を取り入れて『肝発癌抑制を視野に入れた肝硬変の栄養療法のガイドライン(案)2011』を作成した.【結論】本ガイドラインの妥当性については,今後十分な検討が必要であるが,肝硬変診療に携わる医師や管理栄養士にとって有益な医療情報を提供する指針となるためには,外部評価や臨床現場における遵守の度合い,ガイドラインそのものの有効性などについて客観的な評価が行われることが必要である.
索引用語