セッション情報 | プレナリー セッション肝硬変 |
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タイトル | PL-019:高アンモニア血症を呈する肝硬変における亜鉛製剤投与の検討:多施設共同プラセボ対照二重盲検比較試験 |
演者 | 片山 和宏(大阪府立成人病センター肝胆膵内科) |
共同演者 | 川口 巧(久留米大学消化器病内科), 斎藤 正紀(山口大学第一内科), 西口 修平(兵庫医科大学肝胆膵科), 佐原 圭(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 遠藤 龍人(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 加藤 章信(盛岡市立病院), 高後 裕(旭川医科大学第三内科), 鈴木 壱知(獨協医科大学越谷病院消化器内科), 坂井田 功(山口大学第一内科), 森脇 久隆(岐阜大学消化器内科), 鈴木 一幸(岩手医科大学消化器・肝臓内科) |
抄録 | 【背景】肝硬変の高アンモニア血症に対する亜鉛補充療法の有効性について,無作為化試験が無く,エビデンスレベルの高い検討が期待されているため,今回プラセボ対照二重盲検比較試験(UMIN ID:2402)にて検討した.【対象と方法】2009年9月より2012年1月までの間に施設外来にて,高アンモニア血症(施設基準値以上),低亜鉛血症(70μg/dL以下)を示す肝硬変症例を登録,封筒法にて無作為に2群(P群:プラセボ,Z群:酢酸亜鉛製剤3カプセル/日:亜鉛含量150mg/日)に割り付け,3カ月間観察した.18例登録,4例は肺炎などで脱落,2例は欠測があり,12例(P群5例,Z群7例)で解析を行った.患者背景に両群で有意差は無かった.【結果】血中亜鉛値は,Z群で有意に上昇(0w;56.3±6.9μg/dL,4w;128.3±36.7,8w;119.7±36.3,12w;114.0±24.0,p=0.0037:Friedman検定),P群では有意の変化は無かった.血中アンモニア値は,Z群で有意に低下(p=0.0114:Friedman検定),P群では有意の変化は無かった.血中アンモニア値の変化率を2群で比較すると,8週目でZ群が有意に低値(1.31±0.46 vs. 0.72±0.17,p=0.0188:Mann-Whitney検定)を示した.主治医による有効性判定では,Z群でP群より有意に有効判定が多かった(5/7 vs. 0/5,p=0.0133:χ二乗検定).酢酸亜鉛製剤によると考えられる重篤な有害事象は見られなかった.【結語】登録症例数が少なく検出力に問題は残るものの,肝硬変の高アンモニア血症に対する亜鉛製剤の有効性を強く示唆する初めての研究結果である.本研究は,厚生労働科学研究費補助金肝炎等克服対策研究事業によった. |
索引用語 |