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肝癌

タイトル PL-021:

肝化学動注塞栓術併用経皮的ラジオ波焼灼術の有用性

演者 豊倉 恵理子(鹿児島大学病院消化器内科)
共同演者 玉井 努(鹿児島大学病院消化器内科), 堀 剛(鹿児島逓信病院肝臓内科), 吉永 遥(鹿児島逓信病院肝臓内科), 大野 香織(鹿児島大学病院消化器内科), 大重 彰彦(鹿児島大学病院消化器内科), 今中 大(鹿児島大学病院消化器内科), 熊谷 公太郎(鹿児島大学病院消化器内科), 森内 昭博(鹿児島大学病院消化器内科), 桜井 一宏(鹿児島逓信病院肝臓内科), 宇都 浩文(鹿児島大学病院消化器内科), 桶谷 真(鹿児島大学病院消化器内科), 井戸 章雄(鹿児島大学病院消化器内科), 坪内 博仁(鹿児島大学病院消化器内科)
抄録 【目的】肝細胞癌(HCC)に対する経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)における肝化学動注塞栓術(TACE)併用の有用性について検討した.【方法】症例は103例,148結節,年齢:70(45-91)歳,男/女=61/42,Child-Pugh(CP):A/B-C=86/17であった.HCCは,乏血/多血=49/99,腫瘍径:15(6-44)mm,単発/多発:76/72,初発/再発:64/84であった.TACE併用RFAは83結節であった.【結果】全生存率は,1年98.9%,3年81.3%,5年64.2%で,全局所再発率は,1年18.2%,3年42.3%,5年47.5%であった.多血性HCCにおける局所再発率は,TACE併用有で抑制傾向で,腫瘍径<20mm(P<0.01),PIVKA-II<35mAU/ml(P<0.01),マージン>5mm(P=0.02)で有意に抑制された.多変量解析では,TACE併用有(P=0.04,HR 0.41),マージン>5mm(P=0.03,HR 0.43)が局所再発に寄与する因子であった.また,TACE併用は異所再発率を有意に抑制し(P=0.03),累積生存率も良好であった(P=0.04).多血性かつ単発HCC(n=46)における累積生存率は,TACE併用有(P<0.01),CP A(P<0.01)で予後良好で,多変量解析ではこれら(TACE併用有(P=0.02,HR 0.05),CP A(P=0.01,HR 0.05))が独立した予後規定因子であった.【結論】RFAにTACEを併用する事により,局所再発および異所再発を抑制し,累積生存率を改善させる可能性が示唆された.
索引用語