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肝癌

タイトル PL-024:

肝外転移合併肝細胞癌に対する非ソラフェニブ治療の成績

演者 宮木 大輔(広島大学消化器・代謝内科)
共同演者 小林 知樹(広島大学消化器・代謝内科), 福原 崇之(広島大学消化器・代謝内科), 柾木 慶一(広島大学消化器・代謝内科), 中原 隆志(広島大学消化器・代謝内科), 苗代 典昭(広島大学消化器・代謝内科), 長沖 祐子(広島大学消化器・代謝内科), 河岡 友和(広島大学消化器・代謝内科), 高木 慎太郎(広島大学消化器・代謝内科), 平松 憲(広島大学消化器・代謝内科), 相方 浩(広島大学消化器・代謝内科), 高橋 祥一(広島大学消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学消化器・代謝内科)
抄録 【目的】現在,肝外転移合併肝細胞癌(肝癌)に対してはソラフェニブが唯一の標準治療とされている.一方,これまで当科では肝外転移合併肝癌において予後因子が肝内病変の症例に対してはTACEや肝動注化学療法(HAIC)を肝内病変制御例にはS1 based全身化学療法(S1)を主体とした集学的治療を行ってきた.今回,肝外転移合併肝癌に対する非ソラフェニブ治療の成績について検討した.【対象】2002年1月から2012年7月までに当科で肝外転移合併肝癌と診断された382例のうち,ソラフェニブ治療歴のない308例について肝外転移出現後の予後を解析した.年齢中央値67歳.男/女:248/60例.HBV/HCV/NBNC:70/170/68例.T因子0/1/2/3/4:23/7/33/97/148例.Child A/B/C:163/106/39例.PS0/1/2-4:177/86/45例.転移臓器,肺/骨/リンパ節/副腎/その他:164/84/93/34/42例.転移出現時の主治療は,切除/S1/TACE/HAIC/放射線/BSC:11/97/91/103/80/49例で,骨転移合併17例においてゾレドロン酸を併用した.【結果】全症例のMSTは5.1カ月.T因子別MSTはT0,1/2/3/4:19.4/11.7/5.9/3.5カ月,Child別MSTは,A/B/C:8.6/3.6/0.9ヶ月であり,ChildA,肝内病変制御例では,MST17.8ヶ月と良好であった.生存に寄与する因子としてChildA(HR2.1,P<0.0001),T0-2(HR1.9,P<0.0001),AFP<1000(HR1.5,P=0.001),PS0(HR1.4,P=0.001),骨転移なし(HR1.3,P=0.04)が抽出された.骨転移合併例のうち,ChildA,T0-2症例では,ゾレドロン酸投与例は(MST9.3ヶ月),非投与例に比べ(3.6カ月),予後良好な傾向にあった.【結論】肝外転移合併肝癌に対する非ソラフェニブ治療では,T因子により予後は層別化される.骨転移は独立予後因子であるが,ゾレドロン酸は支持療法としてのみならず,予後改善効果が期待される.これらの成績を元に,今後ソラフェニブ治療との位置づけについて検討する必要がある.
索引用語