セッション情報 | プレナリー セッション大腸 IBD 1 |
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タイトル | PL-026:当院におけるアサコールによる潰瘍性大腸炎の寛解維持療法の現状 |
演者 | 林 亮平(広島大学病院内視鏡診療科) |
共同演者 | 上野 義隆(広島大学病院内視鏡診療科), 田中 信治(広島大学病院内視鏡診療科), 永井 健太(広島大学大学院消化器・代謝内科), 岡 志郎(広島大学病院内視鏡診療科), 吉田 成人(広島大学病院内視鏡診療科), 日山 亨(広島大学保健管理センター), 伊藤 公訓(広島大学大学院消化器・代謝内科), 北台 靖彦(広島大学大学院消化器・代謝内科), 吉原 正治(広島大学保健管理センター), 茶山 一彰(広島大学大学院消化器・代謝内科) |
抄録 | 【背景】アサコール錠は潰瘍性大腸炎(UC)の寛解維持療法の中心となる薬剤であるが,その長期予後を検討した報告はまだ少ない.今回我々はUCに対するアサコール錠による寛解維持療法の現状を検討したので報告する.【対象と方法】対象は2012年8月までに当院でアサコール錠により寛解維持療法を行ったUC患者53例.平均年齢43.4歳,男性/女性:30/23例,全大腸炎型/左側大腸炎型/直腸炎型:25/13/15例,平均罹病期間は6.9年,平均観察期間は9.8ヶ月.寛解の定義はpartial Mayoスコアが2未満かつ血便スコアが0とし,症状に大きく関与するステロイド,免疫調節薬,生物学的製剤を併用している症例は除外した.【結果】UCに対するアサコールでの寛解維持療法において,1年無再発率は79.1%であった.再発群と無再発群間において,年齢,性別,罹病期間,病型,入院歴の有無,重症化の有無,過去のステロイド・免疫調節薬使用歴の有無に有意差を認めなかった.3.6g投与群(n=27)と2.4g投与群(n=29)の1年無再発率はそれぞれ94.1%と72.4%と有意差は認めないものの3.6g投与群で寛解維持率が高い傾向にあった.臨床的寛解導入後に大腸内視鏡検査を行い,粘膜治癒を確認できた群(粘膜治癒群;n=12)と内視鏡的活動性を認めた群(非粘膜治癒群;n=6)を比較したところ,1年無再発率には差を認めなかったが(100% V.S. 83.3%),粘膜治癒群において有意により長い寛解維持期間を得る事ができた(18ヶ月無再発率:100% V.S. 33.3%).【結論】アサコール投与にてUCの寛解維持を行う場合も,臨床的寛解にとどまらず,内視鏡的寛解(粘膜治癒)まで導入する事で,より長期の寛解維持を得られる可能性がある.また,2.4g投与群と比較し3.6g投与群において,有意差はないものの寛解維持率が高い傾向にあった. |
索引用語 |