セッション情報 | プレナリー セッション大腸 IBD 1 |
---|---|
タイトル | PL-029:当院における潰瘍性大腸炎に対するタクロリムスの使用成績 |
演者 | 廣瀬 崇(豊橋市民病院消化器内科) |
共同演者 | 山田 雅弘(豊橋市民病院消化器内科), 浦野 文博(豊橋市民病院消化器内科), 藤田 基和(豊橋市民病院消化器内科), 内藤 岳人(豊橋市民病院消化器内科), 山本 英子(豊橋市民病院消化器内科), 松原 浩(豊橋市民病院消化器内科), 竹山 友章(豊橋市民病院消化器内科), 田中 浩敬(豊橋市民病院消化器内科), 田中 卓(豊橋市民病院消化器内科), 芳川 昌功(豊橋市民病院消化器内科), 岡村 正造(豊橋市民病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】難治性潰瘍性大腸炎に対するタクロリムス(TAC)の高い寛解導入効果が報告されているが,TAC抵抗例や二次無効例,TAC終了後の寛解維持療法などの課題が残されている.当院では,難治性潰瘍性大腸炎に対して積極的にTACを投与しており,寛解導入効果と長期経過を検討し報告する.【対象】2009年7月以降,TACを投与した潰瘍性大腸炎患者32例.20-75歳(平均40.4歳)の32例(男17例,女15例).全結腸炎型22例,左側結腸炎型9例,直腸炎型1例であった.全例がステロイド抵抗性であった.観察期間は1-38ヶ月(平均18.7ヶ月).【方法と結果】TACは経口投与し,血中トラフ値を寛解導入までは10-15ng/mlに,寛解導入後は5-10ng/mlに保つよう容量調節し,原則3ヶ月で投与を終了した.検討1)TACによる治療効果を寛解導入率,投与6ヶ月後と12ヶ月後の寛解維持率で評価し,寛解導入成功例での臨床的特徴を検討した.結果1)寛解導入は32例中27例(84.3%)で,寛解導入成功群と不成功群の間に病型,重症度,タクロリムス開始時のCAI score,TAC開始から寛解導入までの期間に有意差は見られなかったが,CMV感染は寛解導入不成功群で有意に陽性であった.また,寛解導入不成功群では高齢,男性の占める割合が高かった.投与6ヶ月では28例中15例(53.6%),12ヶ月後では21例中9例(42.9%)であった.検討2)寛解導入成功例のうち観察終了時まで寛解を維持していた群と再燃群での臨床的特徴を検討した.結果2)寛解導入成功例27例のうち,観察終了時に寛解を維持していた群と再燃群の間に病型,重症度,TAC開始時のCAI score,TAC開始から寛解導入までの期間,AZA/6MPの併用有無に有意差は見られなかった.年齢は寛解維持群が30.9歳,再燃群で45.4歳と差を認め,男女比も寛解群が1:8に対し再燃群は7:1であった.【結語】TACは高い寛解導入効果を認めたが,長期経過での再燃は多かった.また高齢,男性,CMV感染がTAC治療抵抗性の要因として挙げられた. |
索引用語 |