セッション情報 プレナリー セッション

ウイルス肝炎

タイトル PL-039:

1型高ウイルス量C型慢性肝炎に対するペグインターフェロンアルファ2bとリバビリン併用療法時のビタミンD上乗せ効果に関する検討(多施設共同RCT)

演者 横山 聡栄(広島大学消化器代謝内科)
共同演者 川上 由育(広島大学消化器代謝内科), 高野 博嗣(広島肝臓study group), 河野 博孝(広島肝臓study group), 辻 恵二(広島肝臓study group), 相坂 康之(広島肝臓study group), 吉良 臣介(広島肝臓study group), 山科 敬太郎(広島肝臓study group), 野中 裕広(広島肝臓study group), 高橋 祥一(広島大学消化器代謝内科), 守屋 尚(広島肝臓study group), 北本 幹也(広島肝臓study group), 相光 汐美(広島肝臓study group), 中西 敏夫(広島肝臓study group), 川上 広育(広島肝臓study group), 茶山 一彰(広島大学消化器代謝内科)
抄録 【目的】C型慢性肝疾患患者はビタミンDが欠乏する傾向にある.また,海外でペグインターフェロンとリバビリン(Peg/rib)併用療法にビタミンDを補充した場合,明らかに高いEVR率が得られたとの報告がなされている(ビタミンD併用群96%:ビタミンD非併用群48%,P<0.001).日本人におけるビタミンDの上乗せ効果について検証した.
【方法】1型高ウイルス量のC型慢性肝炎患者にPeg/rib併用療法開始後4週時点でHCV RNAが陰性化しなかった症例を対象とし,8週目よりビタミンDを追加で併用投与する群と非併用投与群に無作為に割付け,有効性および安全性について比較検討した.主要評価項目はウイルス学的効果(投与開始後24週時のHCV RNA陰性化率)とした.
【結果】42例がビタミンD併用群に41例がビタミンD非併用群に割り付けられた.24週時のウイルス陰性率は,ビタミンD投与群で33/42(78.6%),非投与群で22/41(53.7%)と有意差を認めた(p=0.016).IL28B遺伝子別では,TTではビタミンD投与群のほうが有意に24週間以内のウイルス陰性化率が高かった(26/29 vs 19/30 p=0.018).nonTTでは24週間以内の陰性化率には差はないものの48週時点における陰性化率はビタミンD投与群のほうが高かった(7/10 vs 4/8 p=0.39).ビタミンDにおける腎障害などの有害事象は認めなかった.
【結論】Peg/rib療法にビタミンDを併用した場合,ウイルス陰性の上乗せ効果はある.
索引用語