セッション情報 プレナリー セッション

NAFLD

タイトル PL-044:

NAFLD/NASHにおけるCK-18による病態解明,治療効果予測因子として有用性の検討

演者 川中 美和(川崎医科大学附属川崎病院総合内科学2)
共同演者 中村 純(川崎医科大学附属川崎病院総合内科学2), 西野 謙(川崎医科大学附属川崎病院総合内科学2), 浦田 矩代(川崎医科大学附属川崎病院総合内科学2), 岡 好仁(川崎医科大学附属川崎病院総合内科学2), 後藤 大輔(川崎医科大学附属川崎病院総合内科学2), 末廣 満彦(川崎医科大学附属川崎病院総合内科学2), 河本 博文(川崎医科大学附属川崎病院総合内科学2), 山田 剛太郎(川崎医科大学附属川崎病院総合内科学2)
抄録 【目的】NAFLD/NASHの病態や鑑別に有用な指標についてはいまだ明確になっていないが,欧米では上皮系細胞のアポトーシスの指標とされるCaspase-3切断CK-18(M30抗原)がNASHと単純性脂肪肝(SS)の鑑別に最も有用といわれてきている(GASTROENTEROLOGY 2012;142).今回,肝生検を行ったNAFLD症例を対象としてCK-18の測定を行い,病態およびバイオマーカーとしての意義を検討した.また治療効果の指標となりうるかを検討する目的で繰り返し肝生検を行ったNAFLD症例の組織学的変化とCK-18の変動について検討した.【対象および方法】1)当院で肝生検を施行したNAFLD102例(平均年齢56.5歳,M/F;47/55,F0/1/2/3/4:6/35/23/29/2)のCK18を測定しSSとNASHの鑑別における有用性について検討した.またCK18の意義をみる目的で年齢,性別,BMI,ALT,AST,γ-GTP,T.Bil,ZTT,TTT,Platelet,HOMA-IR,血清鉄,ferritin,血清Thioredoxin(TRX),high-sensivity CRP(hsCRP),leptin,Adiponectin,P-3-P,4型コラーゲン7S,TIMP-1,ヒアルロン酸との関連について検討した.2)繰り返し肝生検を施行したNAFLD45例(平均観察期間;4.0±2.6年)のCK18の測定を行い,組織学変化とCK18の関連について検討し治療効果の指標となるか否かについて検討した.【結果】1)NASHはSSに比べ有意にCK18が高値であった(544.9±288 U/L vs 287.6±190 U/L;P<0.0001,感度86.1%,特異度70%,PPV90.5%,).CK18は線維化の進展,炎症の増強とともに上昇していた.また,ALT,AST,γ-GTP,ferritin,HOMA-IR,P-3-P,4型コラーゲン7S,TIMP-1など線維化マーカーと有意に相関を認めていた.2)繰り返し肝生検を行った45例のうち,悪化例では514.5→697.5 U/lと上昇し,改善例では578.1→328.8U/lと有意に低下していた(P<0.001).【結語】CK18はNASHの病態を表し,さらにはNAFLDの治療効果の指標になると思われた.
索引用語