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NAFLD

タイトル PL-048:

ACC1脂質代謝系酵素によるBRCA1のhomologous recombinationの調節機序

演者 東辻 宏明(京都大学医学研究科分子病診療学)
共同演者 東辻 久子(京都大学医学研究科分子病診療学)
抄録 (目的)生体代謝に関与する酵素は代謝を進めるのとは異なる機能を発揮する.pyruvate kinase M2は代謝系でのキナーゼとしての働き以外に転写co-activatorとして働く.DNA damageのhomologous recombinationによる修復に関わっている癌抑制遺伝子BRCA1の機能を変化させる脂質代謝酵素ACC1について報告する.(方法)(1)DNA damage後のACC1の細胞内局在の変化.(2)DNA damage後のACC1リン酸化の変化.(3)DNA damage後のBRCA1とACC1の結合状態の変化.(4)ACC1ノックダウンの場合,DNA damage後のBRCA1のリン酸化,ユビキチン化や蛋白量の変化,DNA end resection,BRCA1 focus formationへの効果.(5)ACC1ノックダウンの場合,DNA damage後のBRCA1によるhomologous recombinationに対する効果.(結果)(1)DNA damage後,ACC1は核内に集積する.(2)核内のACC1はSerine79がリン酸化されている.(3)DNA damage後,リン酸化BRCA1とリン酸化ACC1は核内で結合する.(4)ACC1をノックダウンするとDNA damage後のリン酸化BRCA1が減少する.全体量も減少する.DNA end resectionのfocus formationは変動しないがBRCA1 focus formationは減少する.この効果はACC1リン酸化mimic分子発現で元に戻る.(5)ACC1をノックダウンすると,DNA damage後のBRCA1によるhomologous recombinationによるDNA修復が抑制される.この効果はACC1リン酸化mimic分子発現で元に戻る.(結論)代謝系酵素群はWarburg effectにより嫌気的解糖系を亢進させtumorgenesisに関与すると同時にgene expression等に対してnonmetabolic functionを発揮する.脂質代謝系酵素ACC1はDNA damage responseにおいてリン酸化され,核内でリン酸化BRCA1と複合体を形成し,BRCA1のDNA damage後のhomologous recombinationによるDNA修復過程を亢進している可能性がある.
索引用語