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胆道

タイトル PL-051:

成人生体肝移植後胆管狭窄に対する内視鏡的治療

演者 木暮 宏史(東京大学光学医療診療部)
共同演者 辻野 武(東京大学消化器内科), 伊佐山 浩通(東京大学消化器内科), 菅原 寧彦(東京大学人工臓器移植外科), 佐々木 隆(東京大学消化器内科), 山本 夏代(東京大学消化器内科), 中井 陽介(東京大学消化器内科), 平野 賢二(東京大学消化器内科), 山敷 宣代(東京大学人工臓器移植外科), 多田 稔(東京大学消化器内科), 藤城 光弘(東京大学光学医療診療部), 國土 典弘(東京大学人工臓器移植外科), 小池 和彦(東京大学消化器内科)
抄録 【目的】胆管・胆管吻合による生体肝移植後の胆管狭窄に対する内視鏡的治療の報告は限られている.当院における生体肝移植後の胆管狭窄に対する内視鏡的治療の成績について検討した.【方法】2003年6月から2011年12月までに73例の生体肝移植後胆管狭窄に対してERCPを施行した.生体肝移植時の平均年齢は51歳(18~67歳),男女比は38:35であった.グラフト肝の種類は右葉42例,後区域5例,左葉26例,胆管・胆管吻合数は1ヶ所44例,2ヶ所24例,3ヶ所5例であった.内視鏡的治療は狭窄部バルーン拡張とENBDチューブ留置(BD+ENBD)を第一選択とし,狭窄部の拡張が不十分な症例に対しては,プラスチックステントをステント下端が完全に胆管内に入るように留置した(Inside stent).【結果】73例中52例(71%)で内視鏡的治療に成功した(BD+ENBD 23例,Inside stent 29例).BD+ENBDで狭窄が改善した23例中,63.6ヶ月の平均観察期間で狭窄再発は10例に認めた.治療後6ヶ月,1年,3年での累積狭窄再発率は18%,23%,47%であった.狭窄再発10例中1例はBD+ENBDを施行し,8例はInside stentを留置した.残りの1例は胆管空腸吻合を施行した.最終的にInside stentを留置したのは44例(初回治療で留置29例,BD+ENBD後再発に対して留置8例,PTBDルートからのcombined techniqueで留置7例)であった.Inside stent 44例中,狭窄が改善してステントを抜去しえたのは11例(25%)のみ(平均ステント留置期間32.0ヶ月,ステント抜去後平均観察期間24.3ヶ月間で狭窄再発なし)で,3例は死亡,残りの30例(68%)は定期的なステント交換を繰り返している(平均ステント留置期間43.4ヶ月).【結論】内視鏡的治療は外科的治療や経皮経肝的治療に比べ侵襲度が低く,胆管・胆管吻合による生体肝移植後の胆管狭窄に対する第一選択の治療法として施行すべきである.
索引用語