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胆道

タイトル PL-052:

当院におけるEST併用endoscopic papillary large balloon dilatation(EPLBD)により治療した総胆管結石症例の検討

演者 藤田 祐司(横浜労災病院消化器内科)
共同演者 佐藤 高光(横浜市立大学附属病院消化器内科), 渡邉 誠太郎(横浜市立大学附属病院消化器内科), 細野 邦広(横浜市立大学附属病院消化器内科), 前田 慎(横浜市立大学附属病院消化器内科), 永瀬 肇(横浜労災病院消化器内科), 中島 淳(横浜市立大学附属病院消化器内科), 窪田 賢輔(横浜市立大学附属病院消化器内科)
抄録 【目的】近年,総胆管の大結石や多結石症例に対して12mm以上の大口径バルーンを用いて乳頭拡張を行うendoscopic papillary large balloon dilatation(EPLBD)の有用性が報告されている.今回,endoscopic sphincterotomy(EST)併用EPLBD治療を行った自験例を調べ,その安全性,有用性を検討した.【方法】2008年9月から2012年9月までにEST併用EPLBDにより載石術を施行した43症例50件(平均年齢77.8歳,男女比23:20)を対象とした.観察期間は30~1440日(平均807日),適応は10mm以上の結石とした.結石径と胆管径に応じて12~15mmの食道拡張用バルーンを使用し,EST(小切開)施行後,notchが消失するまで拡張した.成功率,手技時間,合併症,施行回数,累積再発率に関して検討した.処置時間は60分程度までとし,それを超える際はステントを留置した.再発の定義は完全載石後に有症状で画像的に結石が証明される事とした.【成績】症例の最大胆管径は12.0~31.8mm(平均19.3mm),最大結石径は10~26mm(平均15.9mm),結石数は1~15個(平均2.56個,積み上げ結石11例)であった.膨乳頭憩室は16例,胃術後症例は5例(B-1 2例,B-2 2例,R-Y 1例),結石再発は0回(38/42),1回(2/42),4回(1/42)であり再発までの平均日数は225日.完全載石までに必要なERCPの回数は平均1.5回であり完全載石率は96%(1例は載石できず)であった.所要時間は19~90分であり平均44分であった.偶発症は膵炎1例,バスケット嵌頓1例,微小穿孔1例であった.出血は認めなかった.【結論】EPLBDは1回で切石できれば再発が少ない可能性があり,大結石や多発結石例に対して比較的容易で安全な治療手段である.今後症例を重ねていき,成績,偶発症,長期予後に対してさらなる検討が必要である.
索引用語